狭い庭で四季を通じて各種の果実を収穫できたら…、ということから北摂で果樹栽培に取り組んでいます。柑橘では伊予柑・デコポン・甘夏・温州などが育ち、秋から春の果物になっています。
ところが最近になって、八朔が大きくなり、横のダイダイと枝が接するようになりました。依怙贔屓になりますが、八朔を大きくしダイダイの枝を切り戻すことにしました。
ダイダイは「代々」ということで縁起の良い木ですし、冬には風邪薬、お正月の飾り、お酢としても重宝です。そこで、全体を小さくせず、八朔に接した面とその反対側を強く切り込むことにしました。残った樹冠には少量になりますが収穫も期待できます。
強剪定した側から、今年は元気な新梢が伸びて、来年には結果枝が生まれることでしょう。
そこで、来年には今年結果させた側を強く切り戻します。一度に整形すればすっきりするのですが、今年の収穫に未練があるだけでなく、柑橘類は強剪定で非常に生育のバランスを乱しますし(枯死を含めて)、枝幹に強い直射日光が当たると被害があるので、2年がかりで仕立てることにしたのです。それでなくとも縁起植物として植えたものですから。
時季ですが、ダイダイは4月になると発芽しますので、休眠が終わり発芽する前の3月が剪定の適期です。あまり早くすると遅い寒気で被害を受けます。
<さあ、やってみよー!>
1)切り戻し位置の決定
切り戻す位置を決め、目印の棒を立てます。この棒に沿って直線的に切り戻していきます。
2)剪定
●直径15mmまでの枝の剪定(剪定鋏)
直径15mmまでの枝は剪定鋏を使って剪定します。
●太い枝の剪定(鋸)
太い枝は鋸を用います。枝が裂けないように、まず下から少し切り込みます。
次に上から切ります。最後は枝が裂けないように、手を添えてやります。
●高所の太い枝の剪定(太枝切り鋏)
高所の太い枝の剪定には太枝切り鋏が便利です。
●葉刈り(刈込鋏)
葉刈りには刈込鋏を使います。
3)切り口の保護
大きな切り口にはトップジンMなどの保護剤を塗っておきます。
4)根の切断
何カ所かスコップを挿し込み、一部の根を切断しておきます。
5)完成までの流れ
作業前
左側剪定
右側剪定・完成
ダイダイは丈夫な植物ですから、普段は特別な手入れは要りませんが、今年は次の点に注意します。
- 肥料は控えめにする。
- 夏には切り戻した側の枝幹に、強い日光が当たらないように日よけをしてやる。
柑橘類の特性として、強い剪定をすると強い新梢が発生することでしょう。この新梢を利用(台木に)して、夏に欲しい柑橘の緑枝接ぎをすることも考えられます。
再来年に仕上がる、直線的で四角なボックス樹形が目に浮かびます。
大きく茂っていた両サイドがとてもすっきりしました。剪定作業にオススメの刃物を紹介します。
●直径15mmまでの枝の剪定にオススメの剪定鋏
S型シリーズ
専門家のニ―ズに即した鍛造・プロ仕様の高級剪定鋏。ハ―ドクロ―ム仕上を施してサビ・ヤニがつくのを抑え、二段刃付けの採用により節弾力の向上を図りました。
120S-7 剪定鋏S型7インチ
Vシリーズ
切れ味・耐久性ともに、プロの酷使に耐える専門家仕様の剪定鋏。ワイドな刃の開きを活かした剪定作業が可能です。経済的な替刃式で、あらゆるシ―ンに威力を発揮するプロに最適な逸品です。
V-7PRO 高級剪定鋏ブイセブンプロ
●太い枝の剪定にオススメの鋸 / 太枝切り鋏
果樹剪定鋸
刃元の細目ピッチが刃先になるほど荒目ピッチになり、滑らかな切りはじめと、ザクッと力強い切れ味を生み出す「グラデーションピッチ」を採用しました。更に、目詰まりのしにくい「UVカット」で作業がアップします。
FS-22 果樹剪定鋸
生木剪定鋸
果樹の剪定や庭木の切断など、生木の切断に威力を発揮。ご家庭や現場の様々なシ―ンで活躍します。
NK-24 生木剪定鋸
ロッパー
軽くて、鋭い切断力。
LP-33S 太枝切り鋏ロッパー Sサイズ
LP-33M 太枝切り鋏ロッパー Mサイズ
LP-33L 太枝切り鋏ロッパー Lサイズ
●葉刈りにオススメの刈込鋏
K-1000
軽くて強いハイテク鋏。グッドデザイン賞に輝く刈込鋏は垣根の整枝に好適です。
K-1000-O 軽量刈込鋏