10月になりますとミカン類やカキなど、秋の果物が収穫できるのですが、9月は端境期の感じになります。そんな中でイチジクは貴重な存在です。品種によって収穫期は異なりますが、大別すると夏が収穫期のものと、夏と秋に収穫できるものの二つのタイプがあります。
家庭での栽培では、一時にたくさん収穫できるものより、順次・長期に収穫できるものが重宝です。
そうした視点で見ますと、わが国で見出された「桝井ドーフィン」という品種は素晴らしい品種です。
どうやら、明治時代にアメリカから輸入された「ドーフィン(ビオレ・ドーフィン)」に由来するものだそうですが、夏実(7月上旬~8月上旬)で150~200g、秋実(8月下旬~10月下旬)では多少小さくなりますが、70~100gと非常に大きな果実をつけてくれます。そうしたことから、わが国でのイチジクのイメージは「桝井ドーフィン」と言っても良いかもしれません。
我が家も「桝井ドーフィン」を栽培しているのですが、鉢栽培をするには少し大型なのと横張りな樹形が問題でした。
ところが、最近入手した「バイオレッタ」という品種は、100gと小果ですが、夏と秋に収穫できますし、写真のように樹形は横に広がるのではなく、直立するタイプです。そうした特長に着目して、今回はベランダでの鉢栽培用の苗木作りをしてみることにしました。
ご承知のように、イチジクは枝が地面に接していると、その部分から自然に発根するくらいですから、挿木・取木が簡単です。能率から言えば挿木ですが、早く収穫したいので取木をすることにします。
さて、取木をする木のことを考えると、幹になるものより枝になるものを利用したいところです。
しかし樹木の場合、微妙な問題ですが幹は直立する性質が強く、枝は横に広がる傾向が強いことが知られています。樹種によっては枝を挿木・取木をした場合、その株は直立した樹形を作り出さないことがあります。そこで、今回は直立している(幹に相当する)ところで取木をすることにしました。
ところが、問題は写真のように実がいくつかついていることです。
取木した後の生育を思うと、実は取り除くことでしょうが、欲と道連れで実をつけたままで取木をすることにしました。もちろん結果は100点満点ではありませんが、半ば遊びも含めた試みというわけです。
実がついていることはマイナス条件ですが、一つの期待は取木をすると、その部分から上の葉で作られた養分は、取木した部分から上にとどまってくれるでしょうから、養分はかなり実にも供給されるであろう、と想定しているのです。
<さあ、やってみよー!>
1)取木をする部分から不要な枝を外す
2)取木をする部分で環状剥皮をする
3)取木部(環状剥皮部)を割り箸で補強する
イチジクは折れやすいので補強をしておきます。
4)水苔を巻く
水分を含ませた水苔で剥いだ部分を覆います。
5)水苔の上からビニールを巻いて、完成
<おまけ>アリも食べにくるほど甘く熟した実
家庭園芸で四倍体ブドウの栽培は成功するのか、今後が楽しみです。巻き鬚やわき芽の摘み取りには刃先の細い鋏が便利です。
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