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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

スモモの定植
   

スモモの定植


鉢栽培しているスモモ[品種名:ハニーローザ]ですが、かなり大きくなって、一回り大きな鉢に植え替えてやりたいところです。しかし、後期高齢者には、これ以上の大鉢の取扱は大変なので、地植えしてやることにしました。
落葉樹の移植・植付けは晩秋に入り、落葉してからが安全とされていますが、この木の場合は鉢栽培されているので、細根をあまり損傷しないで植え付けられます。
そこで、葉の着いた状態で植え付けることにしました。
それに、今回の株は、昨年から安定した結果をするようになっており、今年も初夏から秋にかけてたくさん花芽分化をしており、休眠に入っている様子なので、根を傷めないように植え付けることにします。


<さあ、やってみよー!>

1)スモモの植え替え準備

(1)
今回植え替えするスモモは、1回の植え替えを手軽に行い、一回り大きな鉢に入れていたものです。
そのため、鉢が2重になっています。
 
(2)大きな方の鉢を抜き取ります。
 
(3)土を落とします。
 
(4)鉢底から出ている根を切ります。
 

2)場所の選定

成木になったときに隣り合わせになった木と枝が重なり合わない位置を選定します。
今回はサツキの横にしました。サツキは少し切り込んで、場所を確保しています。

3)植え穴

鉢がゆったり入るくらいとします。
この株を中心に考えますと、植え穴は大きいことが望ましいのですが、狭い庭で一つでも多くの品種を植え付けたいので、あまり徒長枝が出ないように、根の茂りを抑制することにします。

4)元肥

庭土そのものが、長年の間にかなり肥料分を含んでいますので、元肥は入れないことにします。

5)土入れ

雑草や肥えた土を植え穴の底に入れます。
植えられた木の根と土が密着していることが大切なので、棒などで土を突いて隙間を作らないようにしてやります。
植え終えた時に、以前は深い位置にあった、雑草の種子や肥料分が少ない土が表面になるようにすると、雑草や病害虫の抑制にもなります。
最後に、潅水した時に水が流れ散ってしまわないように、写真のように「水鉢」を作っておきましょう。
 

6)敷き藁

乾燥・雑草防止だけでなく、防寒効果が大きいので厚めにします。

7)潅水

棒を使って土をまんべんなく入れるように心掛けましたが、それでも大抵ムラかできているものです。たっぷり注いで泥水として隙間にも流し込み落ち着かせましょう。
この時、株を少し揺すぶるようにすると落ち着き具合がわかります。
ネームラベルも忘れずに差し込んでおきましょう。

 

8)樹形

この株で多くの果実を収穫するには、立体的な樹形にしたいのですが、他の木との関係にも配慮して、主枝は二本だけとし、左右に広げることにします。主枝は樹形の基本ですから、まだ細くて誘引が容易なうちにしっかりと整えておきます。
今回は、収穫を第一に考え、剪定は控えめにしました(花芽をたくさん残しました)。
勢いの強い枝は横に倒し、弱い枝はナナメ上に伸ばしています。


『スモモの定植』に適した刃物


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