苗木の植付け時季になりました。
近くの園芸店で苗木の状態を確認して入手するのが確実な方法ですが、
新しい品種などは大手の種苗会社のカタログが頼もしい存在です。
種苗会社のカタログは春と秋に発行されるようですが、
特に春のカタログは内容が充実しています。
今春のカタログを概観しての印象は、
果樹が大きくクローズアップされていることでした。
果樹は(イチジクは例外としても)花を咲かせてくれますし、
結実するか否かのスリル、結実してから収穫までの日々の楽しさ、
さらに言えば、冬の樹形作りの楽しい悩みと収穫予想に寒さを忘れます
(「捕らぬ狸の皮算用」だとしても…)。
それに、決定的なことかも知れませんが、
完熟した果実を賞味できるというのは家庭果樹ならではです。
カタログについて
さて、カタログについてですが、
まず目についたのが「鉢栽培苗木」でした。
果樹苗木では多くの場合、
『入手してから2~3年くらい育てないと結実しない』というメモが目につきます。
ところが「鉢栽培苗木」は、少し価格は高い(5~9千円)のですが、
入手した年に果実を収穫できるというのです。
筆者も体験しましたがその通りでした。
これは、せっかちな(?)後期高齢者には誠に魅力的です。
2年あるいは3年という栽培時間を千円札何枚かで手に入れられるのですから、
『こんな安価な贅沢を見逃す術はない!』というのが実感です。
さらに、「スリット鉢」に植えられている場合には、
根詰まりを起こしにくいので、移植の省略ができて助かります。
「スリット鉢」というのは、
鉢の底部に細長いたて穴が数ヶ所開いているプラスチック鉢のことです。
このたて穴によって、特定の太い根ができにくくなり、
根詰まりを生じにくくなっているのです。
左 スリット鉢(上から)
中 スリット鉢(横から)
右 すりっと鉢(底から)
左 スリット鉢に植えたブドウの苗
右 スリット鉢に植えたミカンの苗
ブドウについて
ブドウと言えば、
つい巨大な果実の「巨峰」など、四倍体品種に目移りしますが、
今春のカタログでは、野生のブドウから選抜した大果の系統が
紹介されているのが目につきます。
あまり茂らないでよく結実しますから、
鉢植えにしてベランダでの収穫が楽しめます。
適地適作と言われますが、栽培に自信がない場合には、
わが国自生の植物、あるいは、わが国で育成された品種で、
長く栽培されている品種は頼もしい存在です。
それと、誤解を恐れずに提案させて頂くと、
ブドウの蔓は「このように誘引しなければならない」という規則はないはずです。
1.5mくらいの支柱を立てておき、
最長部まで届いたら、そこから先は下に垂らしておいても良いはずです。
大型の品種でも「蔓(伸梢)を2m伸ばせば充分」という
考え方(技術)もあるのですから。
カタログの申し込み期限について
さて、カタログの申し込み期限ですが、
落葉樹は今月末、常緑樹は3月末ということが多いようです。
しかし、植付け遅れは厳禁です。
それに人気品種は品切れも考えられますから、お急ぎ下さい。
主な種苗会社さま
◆改良園
048-296-1174
◆国華園
0725-92-2737
◆サカタのタネ
045-945-8824
◆山陽農園
086-955-3681
◆タキイ種苗
075-365-0140
◆大和農園
0743-62-1185
実際の売場の様子
今回も兵庫県宝塚市の陽春園さまにおじゃましてきました。
たくさんの果樹苗がありましたよ。