ミカンの三種接ぎ株の処理
2年前にユズを台木として甘夏と八朔を接木したのですが、
株元からユズが発芽して、三品種のミカンが茂っています。
このうちで、一番大切にしたいのは八朔ですが、
先端部の甘夏よりも接木が遅れたこともあり、
生長が思わしくありませんでした。
そこで、甘夏の枝を間引き(八朔に日光が充分あたるようにし)、
実をつけて、負担を大きくしてみました。
その結果、八朔が元気良く茂ってくれました。
ミカンの場合、株の勢いが強いと夏や秋にも新梢が伸び出します。
理想的には春にしっかりした枝(春枝)が伸びて、
夏枝と秋枝の発生を抑えるようにしたいのです。
この八朔も非常に勢いが良いので、
放っておくと夏にも伸び続ける心配がありました。
そこで夏に入ってから、
写真のように毎日枝先を中心に手でなでてやるようにしましたら、
伸びが停まってくれました。
きっと枝が刺激によってエチレンを発生させて、
伸長を停止したのでしょう。
まだ、新芽の伸びだしそうな枝がありましたので、
写真のように入念になでてやりました。
さて、しばらく八朔の枝のことに神経を集中していたためか、
甘夏の新梢にアゲハチョウの幼虫がつき、
葉を食害しているのを見逃していました。
柔らかい新梢には、必ずといって良いほど卵が産みつけられるので、
葉の表裏をしっかり調べてやることが大切です。
なお、梅雨前に化成肥料を与えておいたのですが、
どうやらミカンに吸収されたようです。
肥料切れ状態になっているのかもしれません。
ですから、このまま灌水だけで夏を越させてやる予定です。
スモモの徒長抑制
この夏の初めに、平面的な樹形に仕立てておいたスモモですが、
上部の枝が伸び始めています。
このままにしておくと、下部の枝が弱ってしまいます。
鉢を動かしてみると、鉢底から根が出ていました。
まずは、根を取り除きます。
枝の伸びについては、芯を摘み取るのが簡単なのですが、
今月は花芽分化期にあるので、枝に大きな刺激を与えてリズムを乱し、
徒長枝が発生しては大変です。
そこで、まず枝先を手で軽く揉んでみることにします。
さらに、枝先に針金を巻いて、
盆栽の整枝の要領で下方に曲げることにします。
針金をかけることも生長抑制に効果がありますし、
枝先を下に曲げることも、同じく生長抑制につながります。
下部の枝は、斜め上に引き上げてやると、
元気回復に役立ちます。
また、手もとに「Bナイン」があったので散布しておきます。
「Bナイン」は植物ホルモンですが、
新梢の生長を抑制したり、果実の成熟を促進するなど複雑な作用があります。
同じ植物ホルモンの「ジベレリン」とは対照的な作用があるので、
実験的に用いて、生育調節をしてみることも、
新しい栽培技術の発見につながるかもしれませんね。
『夏の徒長抑制』に適した刃物
今回は、枝の誘引に“針金”が登場しました。
“針金”をハサミで切ると刃が欠けてしまいますので、
針金専用の刃物が必要になります。
そこで、針金を切るのにオススメの刃物をご紹介いたします
ワイヤーカット鋏
針金専門の鋏です。
フラワーアレンジメントでも愛用者多数です。
ワイヤーカット鋏
アルスヌーボーダブル
はさみとは別に針金切りの機構を設けた、
1本で2役のとっても便利なはさみです。
アルスヌーボーダブル
ホビークラフトダブル
グリップのピンクがかわいい、
ホビークラフトシリーズのはさみです。
こちらも1本で2役の優れものです。
ホビークラフトダブル
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