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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

デコポンの根群保護
   

デコポンの根群保護


デコポン

デコポンの地上部(特に果実)は養分を引きつける力(シンクカ)が強く、
そのため根への養分分配が後回しになり、
根の発達か十分行われない傾向があるそうです。
結果、樹形の割に根が貧弱ということが起こりがちになります。
ですから、栽培にあたっては、
できるだけ根の生長を促すことを優先してやりましょう。


さて、春を迎えて根が活動を開始していますので、
「芽(根)出し肥」を与えてやりましょう。
特に土壌が乾燥している場合には、灌水を兼ねて
薄い液体肥料か効果的でしょう。
肥料は根の活動に応じて与えるのが効率的です。
デコポンの場合は、根が旺盛な活動をするのは7~10月だそうです。
地上部を見ていますと、春から盛んに新梢を伸ばしていますから、
根の活動は一足遅れているような感じです。
もう一つ、デコポンの栽培で注意しなければならないのが、
根の発生が盛んに行われず、通気排水も悪い場合、
細根が枯死しやすい性質をもっているということです。
この事象は、特に夏から秋に発生しやすく、
発生すると、当然生育不良となり葉が黄変します。
そこで今回は施肥と土壌改良を兼ねて、
局所深耕施肥を試みることにします。


<さあ、やってみよー!>

1square穴を掘る

根を傷めない場所を選んでスコップで40cmくらいのタテ穴を掘ります。

デコポン 局所深耕施肥

2square有機質肥料を入れる

化成肥料を混ぜた有機質肥料(鶏糞を中心)を入れます。

デコポン 局部深耕施肥

3square土を入れる

今回は日向土を入れました。
通気排水がよい土壌の場合は、そのまま土を戻してもOKです。
土壌改良が必要な場合には、日向土、パーライトなど
通気排水のよい改良材で穴を蓋いでやります。

デコポン 局部深耕施肥

4square敷き藁をする

穴の表土をしっかり敷き藁(ピートモス)で覆います。
敷き藁は雑草・土壌固結・乾燥防止になります。
それに、夏の乾燥がひどい場合には、
掘った部分は透水がよいので、土壌深部に給水するのにも役立ちます。

デコポン 局部深耕施肥


これで夏には有機質肥料が利用されるでしょうし、
それまでは即効性の化成肥料が効くことでしょう。
根の活動が盛んな時季は新梢(夏枝・秋枝)の発生も盛んになりますが、
あまり夏枝・秋枝は発生してほしくないので、
有機質肥料がゆっくり効いてくれるよう願っています。
施肥と一緒に、茂りすぎている枝の剪定も行って、
根の負担を軽くしてやりましょう。
デコポンは新梢の先端部に小枝が群がるように伸びだします。
放っておくとこれらに蕾が着くかもしれません。
そうなったら大変な養分の無駄遣いになります。
今回は、痩せた枝、凍傷を起こした枝、葉を落とした枝などは間引き、
将来、結果母枝になりそうな枝を残しました。

デコポン 剪定 デコポン 剪定 デコポン 剪定

ただし、柑橘類はあまり剪定しすぎると、
幹に直射日光が当たり、焼けてしまいます。
葉を落とし過ぎないように注意しましょう。



『デコポンの根群保護』に適した刃物scissors


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