節電対策の一つとして「緑のカーテン」が注目されています。
ヨシズなどと違って、緑は太陽熱を吸収してくれますから、
その陰はとても涼しく快適です。
そこで、ブドウを使って「緑のカーテン」を作ることにしました。
※上の写真は軒下から、はるか頭上まで伸びてカーテンを作っているブドウです。
蔓植物ですから、壁面や屋上、あるいはパーゴラ、トピアリーなど
自由に誘引して仕立てることができます。
今回はまず、昼間の日差しを防ぐことと、
西日を遮る仕立てを試みることにします。
まず、昼間の日差しを防ぐために、
写真のようにベランダから2mくらいの高さに、水平に茂らせることにします。
水平に誘引する場合、新梢の間隔が問題になります。
ブドウの身になって考えますと、
葉と葉が重なり合わないようにするのが良いように思われます。
次は西日対策ですが、写真のように新梢を横に誘引します。
しかし、ブドウの葉は同化作用能力が高く、
終日直射日光を受けるよりも、その半分くらいの光量で十分なんだそうです。
つまり、葉と葉が重なり合っているくらいでも良いわけです。
これがどの程度のものなのかということは意外と簡単に見分けることができます。
ベランダを見ると、日光が点々と見られるくらいです。
もう一つは新梢の長さです。
果樹ですから、肝心の果実の成熟に必要な葉を確保しておかなければなりません。
おおよその目安ですが、正常な葉が10枚以上あれば良いとされています。
品種によって葉と葉の間隔は異なりますが、多くの品種は20cm前後ですから2m以上ということになりましょう。
長いほど良いようですが、木(根)の負担から考えますと、
新梢(栄養生長)への負担と、果実(生殖生長)への負担となるわけですから、
必要以上の栄養生長(徒長)を抑えることは、果実の成熟には好適となるのです。
新梢の強弱も誘引の際に配慮が必要です。
あまりにも、一部の新梢が徒長している場合には摘心をしますが、
あいまいな場合には、伸びる方向で調整できます。
強い新梢は、横あるいは下方に向けて誘引し、
弱い新梢は上向きにしてやることでバランスを得ることができます。
ブドウの誘引では、ツルと副梢(脇芽)の扱いが肝心です。
放任栽培の場合は別として、誘引のできる場合はツルはまず切除します。
残すと誘引の省力になるようですが、
自分の首を締めつけることもあります。
副梢については今回は残すことにします。
これを残すことによって立体的な繁りを創り出すことができるからです。
7月18日現在の様子
枝がぐんぐんと伸びて、なんとも涼しい空間を作ってくれています。
ブドウの実もたくさんなっていて、見るも・過ごすも・食べるも楽しいステキなカーテンです
▼全体
たくさんの実がなっています。
▼昼間の日差しを防ぐ天井部分
すっかり覆われて、とても涼しい空間です。
▼西日を防ぐ側面部分
風にそよぐ大きな葉っぱも涼しさを感じさせます。
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『ブドウの誘引での注意』に適した刃物
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