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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

大掃除のすすめ害虫対策
   

大掃除のすすめ害虫対策


庭の大掃除をしておきましょう。気持ちの良い新年をむかえることと、果樹の株元をきれいにして、害虫の越冬場所をなくしておきたいのです。

写真のようになっていると、幹の地際の樹皮をぐるりと食害されることもあるのです。

写真のように、幹の周りに害虫が潜めないようにしておきます。
この際に、土を取り除いて根の状態を確認しておくのも、栽培管理に役立つことがあります。

というのは、木が旺盛な生育をして結実しにくいような場合には、
根を間引いて、生長を抑制することが必要な場合があるからです。
カキなどのように樹皮の粗いものでは、樹皮の割れ目が害虫の越冬場所になります。古くなった樹皮を削っておくのも防除に役立ちます。

害虫はすでに樹皮の間に入り込んでいるでしょうから、
削りっぱなしにしておくと、害虫が越冬してしまうかもしれません。
かつては、ゴミや落葉は燃やしていましたが、最近は燃やすことができなくなっています。

削った樹皮は集めて熱湯で処理しておきましょう。
なお、カイガラムシの寄生が心配される場合には、
「ボルン」など、マシン油を成分とした殺虫剤を塗布しておきましょう。
油がカイガラムシに付着して駆除するというものですから、安全な殺虫剤です。

株元を片付けていましたら、ミカンの実生苗ができていました。

こうしたハプニングも大掃除の楽しみの一つでしょう。
葉の形や記憶をたどりますと、このあたりに捨てたユズの種から生じたものだと思います。

ユズはミカン類の台木としてよく用いられます。
今は気温が低いので、鉢上げは無理なので、来春に鉢上げすることとし、
この冬は株の上にワラなどをかぶせて防寒をしておきます。

来春はこれを台木として果樹盆栽の苗を作ることを思いつきました。
果樹の苗木は市販されていますが、接木した位置が高くて、鉢栽培でも腰高な樹形となり、まして盆栽仕立てでは、とてもこじんまりとはおさまりそうにありません。
特に小型の盆栽仕立てをしようとすれば、こうした小さな台木の、それも地際で接いだ(根元接ぎ)苗木を作る必要があります。

大掃除のおかげで来春の楽しみが一つ増えました。

▲きれいになった幹周りと株元で発見されたユズの実生苗

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