ミカンの中でも「ハッサク」の気品のある味は格別です。
それに新しい品種も登場してくれてうれしいことです。早速、苗木を入手して植えたのですが、木ばかり大きくなって、実をつけてくれません。別にハッサクに限ったことではなく、若木は栄養生長が優先し、開花結実が後回しになるのが普通です。
しかし、写真のように大きくなったのに、枝ばかり繁って実をつけてくれないのはとても残念です。そこで、荒療治を試みることにしました。
基本方針 主枝を曲げる
勢いの良い若木の主枝は直立した生長をします。
やがて実を着けるようになると、その重みで枝垂れてくるのですが、それを待たずに主枝を曲げることにします。これによって、主枝の勢いが弱り結実が促進されますし、樹形の内部に光と風が届くことになり、結果枝が発生して結果面積が広くなります。
さあ、やってみましょう!
夏秋枝の切り戻し
ミカン類は寒がりなので、北摂でも防寒をしてやらないと、夏秋枝は凍傷を受ける危険があります。 木が小さいうちは防寒も簡単ですが、大きくなると大変です。今年は少し体調が悪かったので、ミカンたちには申し訳なかったのですが、
防寒をしないままに終わってしまいました。 それでもなんとか元気に春を迎えてくれたと思っていたのですが、 よく見ると、やはり夏秋枝は凍傷の被害を受けていました。
このままでは今年の生育に問題が生じます。そこで、思い切って基部から剪定することにしました。
暴れていた樹形が整ってきました。
下の写真は剪定を終えたところです。
枝の分かれ目を補強する
ミカン類の枝は鋭角に分かれています。これをいきなり曲げると割けてしまいます。 そこで、曲げる前にヒモで補強しておきます。
切り込みを入れる
樹液がまだよく流れていないこの時季に、 太い枝を曲げるのは難しいものですし、 折れてしまう危険もあります。
そこで写真のように、浅く切り込みをいれてやります。
これによって曲げやすくなりますし、 主枝の勢いを弱めて、徒長を防ぐことにもつながります。 心配されるのは、切り口からの雑菌の侵入と枯れ込みです。
そこで、切り口成癒合剤を塗布して保護しておきます。
枝を曲げる
枝の伸びる勢いは、直立した状態のときが最も旺盛で、 斜め~横~下垂となるにつれて弱まります。 その木の勢いにもよりますが、 一つの目安として30度くらい曲げてやると無難なようです。
今回、徒長していた大枝を横に傾けたことで、
株の下方や内部の枝に光と風が届くようになりました。
若い枝は蘇ったような表情を見せています。
根切りも同時に
枝を切ったので、根もー部切ってバランスをとることにします。また、土壌が流れてなくなってしまうことを懸念して、 たっぷりと敷き藁をしておきました。
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