スモモの本格的な剪定(冬季限定)は、12月から2月の間に行います。
樹液の流れ始めた3月以降に行うと、切り口から樹液が流出して
大切な貯蔵養分を失いますし、切り口の癒合も悪くなります。
残念なことに、冬季剪定を忘れた株がありました。
しかも勢いの強い若木で、強い徒長枝がたくさん伸びているのです。
もちろん剪定を行うことはできません。
そこでそれらの徒長枝の枝先を下方に誘引することにしました。
さあやってみましょう!
かなり強引に枝を曲げることになりますが、
冬と違って樹液が流れていますので、
枝は柔らかくなっており、折れる危険性は
低くなっています。
これによって徒長枝に養分が集中することが
防がれ、徒長が止まるだけでなく、
結果枝ができやすい状態になります。
ちょうど、昨年に今回と同じように
誘引した枝があるので参考として観察してみましょう。
まず枝先ですが、すっかり衰弱して細くなっています。
今年の冬に観察すれば、きっと枝先は枯死して
いることでしょう。
次にこの曲げた枝から発生した新梢の状態を
見ますと、基部のものは太くて長く、
先端に向かうにつれ貧弱になっています。
そして枝先の近くになると全く新梢は発生していません。
次に目につくのは、蕾の有無です。
作業の写真は3月下旬のものでわかりにくいのですが、
こちらは4月に入ってからのものです。
白い花が咲いているので、
どのような枝に蕾がつきやすいかがよく分かります。
徒長する枝には蕾はつきにくく、
夏に伸長を停止した充実した短い枝(短果枝)は
蕾がついています。
要するに、枝の勢いは幹や主枝に近いものほど強く、
それも直立したものは強く、
横から下方に向かうにつれ弱くなるのです。
そしてそれらの枝の扱いは、目的によって異なります。
主枝を作るような場合
勢いの強い徒長枝を利用すればよい
結実させたい場合
短果枝を確保するように務める ということです
今回は徒長枝の処理ということで誘引をしましたが、
この方法で栽培を続けるのも一法です。
というのも、昨年誘引した枝は先端部から途中まで
2~3年で衰弱枯死し、
結果母枝の役割を今年誘引した枝と交代することになります。
これを繰り返していくことも、一つの樹形づくりでしょう。
それと今回は、剪定のかわりにということで誘引しましたが
今後のことを考えると、結果的にはこれらをすべて
残すのではなく、よく充実しているものを選び
結果母枝として残してやりましょう
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今日の一言
いよいよ4月、新生活を迎えられた方も多いのではないしょうか。
新入社員1号と2号が入社してから早1年が経ちました
これからもどんどん園芸作業の知識を吸収していきたいです
2号でした