大手の種苗会社から、
落葉果樹の苗木が送られてきました。
落葉して休眠期に入ったので、
移植・植付けが安全になったからでしょう。
本日は、苗木の植付け作業を行います
苗木が届いたら、蒸れを防止するために、
すぐに箱を開封してあげてくださいね。
● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ●
品種名の確認とラベルづくり
単にカキとか早生ミカンなど抽象的な名称ではなく、
カキであれば「富有(ふゆう)」「愛宕(あたご)」など
品種名のラベルが付けられているか確認しましょう
このようにラベルがついていればOK!
そして新たにその品種名を記入したラベルを用意しましょう。
本日はオレンジのマルで囲んだ「愛宕(あたご」柿を植え付けることにします。
記憶というのは薄れやすいものですし、
栽培中にラベルを失ってしまうことがしばしばです
そうした場合に備えて複数のラベルを用意し、
1つは絶えず目につくように、
その他は地中に埋めて文字が消えないようにするなど
念には念をいれることにします。
根切り
鉢植えのサイズを考えて、根を切っていきます。
成熟した太い根は、植物の体を支えているだけで
養分や水分を吸収する力が弱っています。
そのため、太い根を中心に切っていきましょう。
苗木の剪定
ここまでコンパクトになりました
切り口はトップジンでなどで保護しておくと安心です。
苗木はどのような栽培様式にも応じられるように、
幹の長いものが届けられます。
このまま植付けますと、先端部の芽から新梢が伸びだして、
とんでもない不格好な樹高になってしまいます
そこで露地栽培では多くの場合60cmのところで剪定をして、
主枝を3本位広げる「盃状仕立て」がよく行われます
このあたりで剪定します
ちょきん
容器栽培の場合には樹形をコンパクトに仕立てたいので
更に写真のようにヘラなどを使い上部の芽を摘み取り
下部の芽から新梢の発生を促すことにしてやります。
病害虫対策
空中・土中には無数の病気や害虫がいて
それらが苗木に付着している可能性があります
最近のニュースですが、
新聞紙上に『「ウメ輪紋ウイルス」が伊丹市で見つかった』とし、
『農林水産省神戸植物防疫所と県は、被害が深刻な
伊丹、宝塚、川西、尼崎の4市にまたがる中部地域で
梅や桃の移動や植栽の自粛を呼びかけ、感染した木や周囲の樹木の伐採を求める。』
というものがありました。
厳しい事例ですが永年植物ですから、
植栽に際しては殺虫殺菌に留意したいものです
そこで、地上部・地下部の異常の有無をしっかりと確認し、
一見健康的なようでも、
守備範囲の広い「ベンレート」などの殺菌剤や
「オルトラン」などの殺虫剤で処理しておきましょう。
また、古い土を全て洗い流し、病原菌と害虫を駆除するために
水でまるごと洗う方法をおすすめします。
このとき、手を使って根を触ると、
小さな根が傷んでしまう可能性があるので、
根は直接触らないように注意してくださいね
〇〇〇〇〇温湯消毒について〇〇〇〇〇
ここで最近普及している「温湯消毒(おんとうしょうどく」をご紹介
こちらはブドウでよく行われているものですが、
50℃の温湯に30分間つけるだけという簡単な処理です。
ブドウには地下部(根)に生ずる恐ろしい「根頭癌種苗」、
地上部に発生する「枝膨れ病」「つる割れ病」などの病気が知られていますが、
この処理をすると発病をかなり抑制できるそうです。
留意することは、温度を最後まで50℃に保つこととのこと
ブドウの苗木を植付けされる際はご参考ください。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
植付け
いよいよ植付けです。
洗浄した苗木を鉢に入れこみます。
赤玉土(中粒)を鉢の4分の1程度敷き…
その上から、赤玉土(小粒)を鉢の縁2cmくらいまで敷きます。
敷き終えた後は、きちんとお水をあげておきます
このお水をあげるときに、病害虫対策として殺菌剤であるベンレートを
溶かした水をあげると安心ですね。
防寒
防寒としてピートモスを敷き、飛ばないように再度水をやります。
固定
支柱をたて、苗をしっかり固定します。
また、鉢の下にも麻紐を通し、苗木が動かないようにしておきましょう。
これにて本日の作業はおしまい!
おつかれさまでした
『落葉果樹の植付け』に適した刃物
今回の作業では、「VSシリーズ」の剪定鋏を使用しました。
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★★★今日のひとこと★★★
種苗会社からは、今回掲載したカキの他にも
イチョウの苗木が送られてきていました。
イチョウは雌雄異株苗木で、雄木と雌木があります
↑ 『藤九郎』が雌木、『銀杏雄木』が雄木ですね。
きちんと実をつけさせるためには、
雄木と雌木をセットで手に入れることが安心とのこと
西先生のお宅でも新しく植えられるとのことなので、
また銀杏の実ができたらお知らせしますね…!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました
社員1号
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