古いカキの大枝(主枝)から、写真のような徒長枝が
発生しているのを発見いたしました。
この大枝は若いうちは斜め上に元気よく伸びていたの
ですが、長い間たくさんの果実を着け、その重みで
次第に枝垂れて現在の姿になったのです。
枝は下向きになるほど勢いが弱まりますから、
このまま進めば枯れてしまうことになるところでした。
それを救ったのがこれらの徒長枝達です。
きっとこの株にしてみれば、この枝は必要なので
下垂してしまった先端部は仕方ないとして
途中からなんとか蘇らせたいと、
これらの徒長枝を伸び出させたのでしょう。
なんとも楽しい状態なので、その手助けをしてみることに
いたします。
さあやってみましょう!
まず考えるべきは、
どの徒長枝を中心に樹形を造るか、 ということです。
樹形は目的により様々ですが、今回はできるだけ自然な そしてコンパクトなものにしてみましょう。
そうなると、一番左側で元気に直立している徒長枝を
中心とした樹形づくりが第一候補となります。
というのも、横になった枝から発生した徒長枝は
幹に近いものほど生育が旺盛なものですから。
それにこの徒長枝を中心(主枝候補)に仕立てると
低い位置で結果枝を出すことができ、何かと手入れが楽です。
次は右方の徒長枝たちの扱いですが、
主枝候補の生育を妨げないように間引いてやります。
単純に考えれば、主枝候補だけ残してこの大枝を
切り詰める、ということもあるでしょうが、
右方の徒長枝の中に大きな芽をつけているものがあり
それが花芽ではないかという魅力があります。
切り詰めるのはいつでもできますから、
この際は様子をみることとし適当な感覚で
間引くことにいたします
不必要な細い枝も間引いていきます。
さて、ここで作業に際しての留意点を
おさらいしておきましょう
葉芽と花芽
カキの花芽(蕾)は春に伸び出す新梢につきます。
花芽をつける新梢(結果枝)は、前年に充実した生長を
した新梢の、先端部の大きな芽から発生します。
結果枝を伸ばす芽は、夏に伸長が止まっている枝に
分化しますから、徒長枝の場合は夏も
伸長していることが多く、結果枝の発生は
期待できないといえるでしょう。
しかし今回行った作業の場合、
いくつかの徒長枝で先端部の芽が大きなものがあります。
期待を込め、ご祝儀で残してみましょう
剪定が終わった枝です。
残した枝についているのが花芽でありますように
誘引優先
今回の作業では行いませんでしたが、
誘引も大切な作業です。
果樹栽培では、地上部(枝葉)と地下部(根)の
バランスが重要です。
特に強い剪定をした場合、徒長枝の発生を
引き起こしやすく、当然結果枝が少なくなってしまいます。
それに結果枝が出来て、開花し結実したようでも
途中落果することがよくあります
剪定が終了した後のカキの木です。
本日の作業はこれにて終了です。
おつかれさまでした!
『 カキの老樹の若返り 』に適した刃物
今回使用したのは高枝はさみズームチョキチルトRシリーズです。
アルスの長い高枝はさみの歴史の中の、
まさに“決定版”とも言えるズームチョキチルトRシリーズ。
3m先の枝もまるで手元で切っているかのような感覚です!
▼伸縮式高枝鋏ズームチョキチルトRシリーズ
★★★今日のひとこと★★★
新年あけましておめでとうございます
皆様、どのようなお正月を過ごされましたか?
私は新年早々、インフルエンザにかかってしまい
お正月を文字通り寝正月ですごしました・・・
2015年の目標は、「健康」です!
いきなり出鼻をくじかれたので、これ以降は元気に過ごそうと意気込んでおります。
皆様も、風邪やインフルエンザにはお気をつけくださいね。
今年もたくさんの園芸に関する情報をお届けできたらと思います
プロの園芸作業ブログをよろしくお願いいたします。
社員2号でした。