鉢栽培では用土量が制限され、
根の活動が十分に行われないために、
栄養生長が抑制されて、下枝の枯れ上がりを起こしやすいものです。
写真のスモモは容器で4年栽培しているものです。
若いスモモは数年間は徒長しやすく、
開花しても結実しにくい傾向にあります
しかしこの木の場合は容器栽培に木が適応して、
葉芽よりも花芽が多く着くようになり、
株全体に蕾がつくられるようになりました
安定した収穫が期待できるようになったことは嬉しいのですが、
このままにしておくと急速な下枝の衰弱が予想されます。
そこで今回は、下部の枝を元気づけるために
「摘蕾」と「摘芯」の作業を行いましょう!
● ● ● ● ● ● ● さあ、やってみよ~!● ● ● ● ● ● ● ● ●
摘蕾
開花・結実には多量の養分が必要です。
十分な栄養補給が行われないと、
枝同士で養分の奪い合いが生じ、
基本的に優位にある上部の枝に養分が流れるため、
下部の枝の衰弱枯死を引き起こすことになります….
また、多くの蕾を着けた場合には、
必要以上の蕾は早く摘みとって、養分のロスをさせないようにします。
ただし、あまり早くに摘蕾すると、
受精が順調に行われず結実不良になりますから、
受精をして果実が認められる時期に摘果するのが無難な方法といえます
そこで今回は、下部の枝の蕾はすべて摘み取ってやり、
上部の枝に結実させるようにします。
はさみでカットしたり。。。
手で摘んでもOKです。
これによって上部の枝の栄養生長が抑制され、
負担の軽くなった下枝の充実が期待されます。
*********摘蕾のポイント*********
★蕾の発達状態を観察しよう
スモモは“多品種の花粉”によって正常な結実がなされます。
品種によって開花の早晩がありますから、
できるだけ受精する期間を長くしておくため、
蕾の発達状態をよ-く見て、
早いもの・遅いもの・その中間のものを残すようにし、
開花の時期を長くしてやりましょう
★葉芽に注意しよう
摘蕾に際しては、葉芽を傷めないように注意しましょう
この時期の小さな新芽は非常に傷つきやすく、
少しのショックで欠けてしまいます
新芽は蕾に挟まれるように着いていることが多いため、
よくよく注意して作業を行ってください。
★下向きについている蕾は残しておこう
スモモは直射日光に弱いため、
写真のように下向きについている蕾は
直射日光に当たりにくい絶妙なポジションで大切です◎
このような蕾は摘むことなく、そっと置いておきましょう。
*************************
上記のことに留意しながら摘蕾作業を進めます。
〇摘蕾前〇
〇摘蕾後〇
下部の蕾がなくなり、軽くなりましたね
摘芯
不要な枝は切除したくなりますが、
この時期は樹液の流動が激しくなっています。
切り口から樹液の流出が多くなることで切り口の癒合が進まず、
残した枝の枯れ込みを引き起こしますから、
枝は切らずに摘芯に止めて貯蔵用分のロスと徒長を防ぎます
摘蕾作業は下部の枝を中心に行ったのに対し、
今回の摘芯作業は上部の勢いの強いものを中心に行い、
下部は残して枝の充実を図ります◎
立ち枝から頂芽(茎の先端にある芽)を探し出して。。。
ちょきん
この作業によって、側枝が伸び
スモモの花着きがよくなります…
これにて本日の作業は終了です。
上部の枝では摘芯を、下部の枝では摘蕾を行いました
下部の枝がむくむくと元気になり、
将来の中心的な主枝となりますように
『 スモモの摘蕾と摘芯 』に適した刃物
摘芯作業では、クラフトチョキを使いました◎
細かな作業となるため、小回りのきく刃先が効果的でした
ソフトグリップなので長時間でも手が疲れにくいです。
★★★今日のひとこと★★★
取材日の4月7日は雨上がり。
少し濡れた地面に、風に吹かれて舞い落ちた桜の花びらが
ぴたりぴたりとくっついて、なんとも春らしい足元となっていました
そして西先生のお庭にて、かわいいお花を発見?
これはリンゴの花なのだそう
冬までは寒色系の景色だったのに、
こうして鮮やかな色を発見すると、
春の訪れを感じますね
季節の変わり目、くれぐれも体調を崩されぬよう
お気をつけてお過ごしください
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