鉢物や盆栽仕立てでは、「芽摘み」は非常に大切な季節の作業です。
観賞植物の場合、目的は樹形の維持向上にありますから
徒長枝を摘み取って小枝を多く出させ、
樹形の立体化をはかることが何よりの目的です。
その典型的なものがマツのミドリ摘みでしょう。
方法は単純で、多くの場合新梢(ミドリ)を基部から摘み取ります。
こうすると昨年の双葉の間から新しい芽が伸びだしてきます。
これによって春からの新梢の直線的な徒長が抑制されますし、
新しく伸び出す複数の小枝によって、
樹形の立体化が進められます
それに、新しい新梢は春から伸びだしたものに比べて
生長期間が短くなりますから、
当然のことながら葉長は短い状態で冬を迎えることになります。
この短葉という状態は、
樹形として考える場合とても重要です
葉が長いとだらしないものです。
短葉ですと、すっきりしているだけでなく
樹形を大きく感じさせてくれます。
マツの順調な生育をさせるという面から考えますと、
春に行うのが良いようですが、
そうすると新梢が素直に伸びてくれるのは良いものの
葉長が長くなってしまうのです。
そうしたことから、
マツのミドリ摘みはこの時期に行われることが多いようです。
● ● ● ● ● ● ● さあ、やってみよ~!● ● ● ● ● ● ● ● ●
~~~マツのミドリ摘み そのいち~~~
まずは、こちらの鉢にて作業を行います。
新梢を基部から摘み取ります。
全て摘み取ると、すっきりしました!
~~~マツの芽摘み そのに~~~
次はこちらのユニークな鉢!
長い葉は束ねてカットします。
全てのミドリ摘みが終わると、凛々しくなりました!
一方、果樹の場合には
樹形作りだけでなく、花芽分化を配慮しなければいけませんから
緑の摘み方に注意が必要です。
次はスモモのミドリ摘みを行います
作業する株は若いので、徒長枝が盛んに発生して大変です
誘引する方法もありますが、
今回は全ての徒長枝のミドリ摘みを行います。
スモモの花芽分化は、この夏に伸長の停止している
短い新梢の芽で行われます。
したがって、旺盛な身長が夏も行われているような徒長枝には
花芽(蕾)は付かないのがふつうです。
なにかのはずみで、
花芽ができて春に開花しても
結実につながることは期待できません。
したがって、ミドリ摘みは株の上部から発生する徒長枝のみに行い、
身長が停止している短い新梢(短果枝)には刺激を与えないようにし、
夏の花芽分化が順調に行えるようにします。
● ● ● ● ● ● ● さあ、やってみよ~!● ● ● ● ● ● ● ● ●
~~~スモモのミドリ摘み~~~
現在のスモモの様子。
徒長枝が旺盛に伸びています。
徒長枝を切断していきます。
写真のように伸長がストップしている
短い新梢は切ってしまわないように注意してくださいね
量が多いものは、枝分かれしたところから絞り、
切っていくと楽ちんです。
高さのあるところは園芸鋏(商品名:花パッチン)を使いました。
全てのミドリ摘みが終わるとすっきり!
本日の作業はここまでです!
おつかれさまでした!
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『 樹木のミドリ摘み 』に適した刃物
花パッチン
とどきにくい所の花摘み、枝切り、果物の収穫などに最適な切ってつかめる
ロングサイズの園芸鋏です。
少し高い位置はもちろんのこと、
少し低い位置でも腰をかがめずに作業できるので便利です。
園芸鋏花パッチン 150-0.6D
★★★今日のひとこと★★★
気付けば今年も折り返し地点に到達してしまいました!
ついこの前、極寒の中で作業をしたような気がするのに、
もう夏がきてしまいます・・・!
年々、時間の流れの早さに驚くばかり
2015年上期の『プロの園芸作業』、お楽しみいただいておりますでしょうか?
後半も園芸が楽しくなるような記事をお届けできればと思いますので、
引き続き、ご愛読よろしくお願い致します