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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

花木の植付け
   

花木の植付け


花の咲いている長寿梅(チョウジュバイ)の鉢を見つけました。

 
この植物は彩りの乏しくなる秋から春まで開花してくれるのと、
おめでたい名前からも人気の花木です。

 
それに樹形がコンパクトで小鉢も開花してくれるので、
小盆栽や寄せ植えなどとしても重宝な存在です。

● ● ● ● ● ● ● さあ、やってみよ~!● ● ● ● ● ● ● ● ●
鉢の選択
現在の鉢は栽培中心のいわゆる栽培鉢であり、
根の生育には好適なのですが、不安定な感じもしますので、
もう少し浅い鉢の方が安定感や広がり(景色)を感じさせるのではないでしょうか。
問題は5年ほど移植をしていませんので根の状態が分からないのと、
樹形が気に入ったので小盆栽として大切に育ててやりたいと思っています。
こうしたことを考えますと、いきなり浅い化粧蜂に植えるのではなく、
中深の鉢でしばらく育ててから、最適の化粧蜂に植えてやることにします。
用土
赤玉土(小粒)を用います。
赤玉土は細根がよく茂るのと、
その材質が雑木ととてもよく調和してくれます。
それに保水性があるので、小鉢での栽培は最高です

用土の調整

園芸店で入手できますが乾燥しているので、植え付ける際には吸水させておき細根を傷めないようにしましょう。

根の確認

下の写真は鉢から抜きとったところです。

一面に根が張っていて用土が見えないくらいです。

そっと根をほぐしてみましたら、特定の根がとぐろを巻いたように伸び、大切な細根が根元に見られません。

まさに、「根詰まり」状態です。根の状態が枝葉の茂り方に繋がっているといわれます。つまり、細根の多い状態にあると、小枝の茂りも良くなるということです。

盆栽仕立てでは小枝を茂らせることが肝ですから、この徒長している根はまず外してやりましょう。

そしてこれまでよりも浅い鉢に植えるのですから、ゆったり鉢に納まるように下方の根(用土)も切り取って根の厚みを薄くしておきましょう。

次は、下の写真のように根鉢の周りや表土の部分の根や雑草などをきれいに切除して新しい用土が入れるようにしておきます。


特に表土を取除くことで根が露出することになりますが、これによって根張りの状態が分かるだけでなく、露出した根の表皮が発達し力強い根張りを作ることができます。

樹形の確認

下の写真は新しい鉢に値付けしたところです。

いよいよ樹形を整える段階ですが、まず鉢の縁を目の高さに置いて細目にして眺めると、大切な幹や枝の状態がはっきりと見えるものです。

この木の場合は斜め左に幹が伸びあがっており、右方に大きな枝(一の枝)が広がっています。

家で言えばダイコク柱と棟木を確認したようなものでしょうか。

剪定

剪定は「幹の流れ」と「枝の拡がり」に小枝を添えていく、と考えてみてはいかがでしょうか。人体での背骨を中心とした骨格を肉付けするようなものでしょうか。

さてこの木の場合、幹の下部から左方へ貧弱な小枝が出ていますが、どうも不自然で目障りなので基部から切除します。

理想的な話をすれば、この時期まで小枝を放っておかず、発芽したときに芽摘みをしておくべきでしょう。そうすれば、切り傷をつけることもなく、養分のロスをすることがないので、木の生長もより順調でもっと小枝を茂らせることができたでしょう。次は右方の一の枝の基部のあたりにこんもりと小枝があり、すっきりしないので鋏をいれて整理してみました。

まだ株元に小枝が残っていますが、これはそのままにしておきます。

これらの小枝は一の枝の生育に大きな妨げになりませんし、幹の基部(立ち上がり)を肥大させるのにきっと有効だからです。

樹形としては、立ち上がりが太くてどっしりとしていることはとても大切なことですから。

腰水

最後に灌水ですが、鉢ごと水に沈めて鉢穴から吸水させてやります。

こうすることで用土にムラなく十分に吸水させることができ、
表土の状態を乱さずにすみます。

この木の場合にも、株元に短くて綺麗な苔が茂り始めています。

用土を乾燥気味に管理すると不思議にこうした苔が現れ、
観賞価値を高めてくれます。なのでこれはそのままにして、自然な繁茂を期待するつもりです。

まだ株元に小枝が残っていますが、これはそのままにしておきます。

これらの小枝は一の枝の生育に大きな妨げになりませんし、

幹の基部(立ち上がり)を肥大させるのにきっと有効だからです。

樹形としては、立ち上がりが太くてどっしりしていることはとても大切なことですから。

今回に適した刃物

小枝の剪定にはクラフトチョキを使いました。ソフトグリップで長時間の使用でも手が疲れにくい仕様で今年も大活躍の予感です。

■今日のひとこと

遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。みなさまどのようなお正月をお過ごされましたでしょうか。私は年末に鳥取砂丘に行き、(はじめて!)冷たい風に吹かれながらも砂漠気分を満喫してきました。本年もみなさまに楽しんでいただける記事を
発信していきますので、ぜひぜひお楽しみに・・!


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