秋植え球根の基本的な特徴は、球根の中に開花までの養分が貯蔵されていること。
秋までに花芽が分化していて、仮眠状態にあるということです。
市販の球根は、開花が確実とされる開花球根ですが、自家の球根などの場合には、先ず大きく充実しているものを選ぶことが肝要です。
球根で花壇を作る場合には、他の植物と混ぜずに球根で統一すると、すっきり仕上がることが多いものです。
花色についても狭い面積では、一色に限定すると豪華な感じになりますし、広い場所でも、三色くらいに絞り込んだほうが引き締まった構成となります。
チューリップなど品種の豊富なものは、花色・花形などの違いだけでなく、開花期がかなり異なるので、開花期を確認しておくことが必要です。
そうしたことから、入手に際しては品種名を確認し、来年に備えてラベルを作り、メモをしておくことが大切です。
用土は、粗い赤玉土をベースに、腐葉土・ピートモスなどを混合しますが、このとき、粒状オルトランも混合しておきます。
そして、秋植え球根の特徴として、植付ける深さが異なることがあります。
低温にあうことは、発芽・開花の重要な条件ですが強い低温は生長点の損傷につながります。
単純に考えれば、発根する部分が用土の中にある状態であればよい、ということになります。
そうした考えから、写真のような植付けも考えられます。
実際、この方法でも開花させることはできます。
もっとも、この方法では根が伸び出すと、その作用で球根は転がってしまいますから、写真(右)のように、球根を固定しておく必要がありますし、球根が凍傷を起こさないように、温かい軒下などに置いてやる必要がありますけれど…。
もう一つの問題は、球根の特性によるものです。
ユリを例にとりますと、植えた球根の上部に、木子(キゴ)と呼ばれる子球がつきますから、木子の生長のために深く植付けておく必要があります。
当然、植付け場所は排水の良いことが絶対条件です。
また、ユリのように大きくなるものは、1球づつ小鉢に植えるよりも、大鉢で寄せ植えする方が、育成も安定して倒れにくく、管理も楽です。
秋植え球根の特性の一つは、排水・通気の良い環境を好むことです。プランターのように、容器の底に水の溜まっているものは、どうしても用土が過湿になってしまいがちです。
そこで、用土に留意すると共に、用土量を多く、それも写真のように中央を盛り上げるように入れてやるのも一法でしょう。
こうすると、潅水などで用土が崩れてしまいますから、粗いピートモスやバークなどで敷きワラをしておきます。
敷きワラは、防寒に効果的ですし、用土が霜柱によって崩れるのを防止し、雑草や乾燥を防ぐだけでなく、清潔感・美観の点からも重宝なものです。
地植えする場合には、貯蔵養分と地力によって、特に施肥をしなくても開花してくれるものですが、鉢植えしたものや、来春に良い球根を得たい場合には、敷きワラの下に粒状肥料などを与えましょう。
冬季は有機質肥料は分解しにくいので、化学肥料が効果的です。
そして来春、芽が伸びだしたら、液体肥料を与えましょう。