イチジクは生育が旺盛で、
放任栽培でも結構収獲を楽しめるのですが、
よく繁茂するので狭い庭での栽培では、早春の剪定整姿は大切な作業です。
それに生育旺盛なのと浅根性なので、
容器栽培では移植・断根を怠らないことが大切です。
まず剪定ですが、
イチジクは春に伸び出した新梢の基部、
3芽あたりから上の各節に果実を付ける性質があります
これが下部の果実から熟して秋に成熟します(秋果と呼ばれることも)。
ところが温暖な所で栽培すると、
品質にもよりますが年内に成熟出来なかった先端部の果実が越冬して、
翌年に新梢の生長に合わせて育ち、夏に成熟することがあります。
これが「夏果」「花イチジク」あるいは「夏イチジク」と呼ばれるものです
ですから剪定のポイントとしては、
貧弱で不要な枝は除いて、元気な新梢を発生させればよい、ということになります。
さあやってみましょう!
剪定
今回は一文字仕立てにもしたい手前、
不要となる中央の枝から剪定していきます。
次に、左右に広がる枝も切り戻し、
コンパクトな姿にしていきます
少しすっきりとしましたね。
また、立ち上がっている枝ですが、
すでにイチジクの実が落ちたものとなっています
イチジクは今春伸びた新しい枝に結実するため、
既に実が落ちたこれらの枝は不要です。
剪定していきましょう
赤丸でかこった枝のみ、実が落ちておらず、
上手くゆけば今年の成熟しそうです・・・!
不格好ですが、結実を楽しみに剪定は控えることとしました
根の手入れ
露地栽培では根はどんどん広がることが出来ますが、
容器栽培では「根詰まり」を起こして養水分不足になり、
果実の十分な生長が出来なくなります
そこで対策として最も手軽なのが「断根」です。
イチジクは根の生育特性として、
空気の接しやすい地表部に根が広がります。
移植ゴテなどを用土に差し込んで、
根を切断すると、切断された辺りから新根が発生して下部が若返ります
「断根」は「根詰まり」を解消し、
新根の発生を促すことは出来ますが、
用土の物理的・科学的な性質の改良にはなりません
換言すれば、根にとって良質な環境(用土)作りは出来ていません。
そうしたことを考えると、
「断根」した辺りから外側の古い用土(切断した根)を取り除き、
新しい用土を補ってやりたいところです。
今回は四方1cmを取り除き、
赤い斜線部分を残すこととしました
イチジクは丈夫な植物ですが、
葉が広く蒸散作用が非常に盛んであることに注意が必要です。
関西地方では、
秋から春にかけては特別な手入れの必要はありません。
しかし夏の用土の乾燥は、防いでやることが大切です。
多くの植物では、日中枝葉が萎れていても、
日が傾くとピンと元気を回復してくるものです。
しかしイチジクは酷く葉が萎れた場合には、
回復せず落葉してしまうことがしばしばあるのです
土づくり
乾燥を防ぐための土づくりにおいては、
保水性がある赤玉土のようなものを中心に用いることが大切です。
今回は赤玉土にピートモスを混ぜたものに
オルトランとマグァンプKを加えました。
オルトランは、害虫対策効果が
マグァンプK は丈夫な根をつくる効果があります
①プランターの底に赤玉土を敷いてから、
②イチジクを置き、(本当にコンパクトになりました!)
③先ほどつくった混ぜこぜ土を入れていきます。
そして上からピートモスを敷いてやります。
ピートモスは、
乾燥防止
雑草防除
用土の飛散防止
また、病害虫の枝葉への飛散に伴う病害虫防除や、
表土近くの根にとっては、酷暑防止の環境作りにもなるなど、
いいことづくしです。
これにて、本日の作業は終了です。
根詰まりをしていたイチジクが、
断根によって本当に身軽になりましたね!
取材をしていても、思わずよかったねぇ・・・と
声をかけたくなる作業となりました
『 プランター栽培のイチジクの手入れ 』に適した刃物
コンパクト鋸 花小町
太い枝の剪定では花小町を使用しました。
持ち運びに便利なコンパクトサイズながら、秀逸な切れ味。
西先生もお気に入りの鋸です
★★★今日のひとこと★★★
記事中にも書きましたが、
今回の作業は見るに鮮やかなコンパクト仕立てとなりました。
春を前に身軽になれてよかったねえ。。。と
写真を撮りながら、なんだか私も嬉しかったです
さて、3月も中頃。
そろそろ春の予感が近づいてまいりました!
少しずつ木々の蕾がふくらんでいくのを見ると、
わくわくしますね
寒さから暖かさへ変わる季節。
体調管理には十分にお気を付け下さいね
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