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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

宿根草の仕立て直し
   

宿根草の仕立て直し


園芸の魅力は、次のシーズンを思い描くことや楽しめることにもありましょう。

「ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ」とくれば、秋の七草ですし、わが国の代表的な薬草であるドクダミやゲンノショウコなども庭の下草として重宝なものです。

特に最近は「イングリッシュ・ガーデン」に関心が高いのですが、ここでも宿根草は主役といってよいでしょう。


さて、庭を眺めてみますと、キクをはじめ各種の宿根草が待ち焦がれた雨を得て、元気に茂っています。
しかし、このままにしておくと伸び過ぎますし、株元が枯れ上がって見苦しくなってしまいます。
そこで、惜しいようですが、思い切って刈込みをして草姿を整えてやりましょう。今月中に刈り込んでおけば、夏には蕾を着けて秋を楽しませてくれます。
刈込みに際しては、この春に伸びだした茎の基部を残しておくことで、安全の点からは葉を残しておけば、葉の基部に潜んでいる芽が元気に伸び出してくれるでしょう。

刈り取った枝葉は敷きワラとして重宝しますが、挿し穂としても利用できます。
とくにこれから挿木で育てた株はコンパクトな草姿で開花してくれるのが魅力です。

ホトトギス 挿し穂用にカット
挿すまで水気を絶やさないように 葉を適当にカット
写真はホトトギスですが、約12cm位のところで切り離してあります。
新しく伸び出す根は切口付近から発生するのが理想的ですが、根の元である根原体は節のすぐ下辺りに多く分布しているのです。
それらは特別なことがない限り、根として生長しないのですが、切断されるというショックが引き金となって新根として生長するのです。

小鉢に挿し腰水を打つ
木床としては、写真のように小鉢を用い、発根したらそのまま育てられるようにしておくと手が掛りません。
用土としては赤玉土が観賞上からも適しています。挿木の成否は挿し穂を衰弱させないことに尽きますが、夏の挿木では乾燥が大敵です。
浅い受け皿に水を張る
特に小鉢に挿した場合には注意が大切ですが、写真のように浅い受け皿に水を張って入れておくことで、極端な乾燥被害を受けることはないでしょう。
もちろん植物にとっては、毎日用土が乾燥して新鮮な空気が供給され、新鮮な水を供給されることで、有害物質も洗い流される環境が欲しいのでしょうが、挿木された当初からの状態に適応する能力を持っている筈です。
なお、複数の植物の寄せ植えをし、「秋の七草」といった楽しみもありましょう。
暑い日々がしばらく続くでしょうが、そんな中で宿根草の手入れから、爽快な初秋の景色が浮かんでくれそうです。


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