小さな庭で、昨年に“藤稔”という品種を植えて二本の主枝を作り、
今春は一つを縦に伸ばしてパーゴラ用とし、
もう一つは横に広げて生垣用として育てています。
春から伸び出した新梢は、頂芽優勢と言われるように
主枝の先端部に近いものほど旺盛な生育を示しています。
そして、新梢の基部から3~4葉の辺りには花房がつきました。
本格的な栽培では樹木が若いうちは、この花房の扱いは後回しにして、
新梢を充実させるのでしょうが、家庭での栽培ですので、
少数ですが結実したものは残して袋がけをしておきました。
本来、果実は日光を浴びて育つものでしょうが、
病害虫の被害が心配なので。
もちろん薬剤散布で被害を防ぐことはできますが、
ブドウの場合には食べるときに薬剤が付着しているのは、
食欲の問題だけでは済まないからです。
さて、問題は、写真のように新梢が茂ってきたことです。
ブドウにしてみれば、自分の体調によって
伸びたり止まったりしていたいのでしょうが、
こちらにすれば庭の景色や他の植物の生育との関係があります。
それに何よりも、せっかく結実している果房を収穫したいので、
まずはこのことから、新梢の整理を考えてみることにします。
果房を育てるのは、葉からの養分供給ですし、
来年のことを考え樹体の充実を計るとすれば、
当然葉の枚数は多い方が良いに決まっています。
まずは、一つの果房を育てるために最低何枚の葉が必要かという問題です。
品種や生育状態もあり、一概には言えないことですが、
今回は20葉以上を確保することにします。
そうすると、新梢の整理にあたっては、
20葉+来年のための葉数、ということを念頭に行うことになります。
<さあ、やってみよー!>
今回も赤シャツさんに作業をお手伝いいただきました。
1)枝のバランスを考えて誘引しなおす。
生垣としての見栄えも大切!全体のバランスを見ながら枝を誘引していきます。
2)先端部分の伸びすぎた枝を切る。
生垣にしたい部分から飛び出したところは思い切って切ります。
前述のように、葉数は20枚+αを目安としています。
これで、生垣としての見た目もすっきりし、
なおかつ、新たな養分は果房を育てることに専念してくれることでしょう。
3)完成!
バランスよく枝が配置され、伸びた枝もすっきりです。
最後に問題になるのは、残した葉に日光が十分に当たるようにしておくことです。
パーゴラ仕立ての方は、約20cm以上の間隔をとっているので問題はないのですが、
横に伸ばして生垣風に仕立てている方の扱いについて考えてみましょう。
10本ほどの新梢が伸びているのですが、
それらは一列に水平に伸びているので、
太陽が真上にあるときには、
下位の新梢は上位の新梢に日光を遮られることになります。
しかし、午前や午後など日光が横から射しているときには、
直射日光を浴びることができます。
結論として、それぞれの葉に直射日光の当たる時間は
4時間以上あれば良い、ということで新梢の誘引をすることにしました。
(写真は全て2009年7月1日に撮影したものです。)
若い木には若い実がつくのですね。
でも、自由に収穫できるのが家庭園芸のおもしろいところ!
新梢の整理には切れ味抜群の鋏が大活躍です。
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刃が大きく開き、太い枝も楽に切れます。ハ―ドクロ―ム仕上げ。
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ミニチョキデラックス ホワイト 130DX
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軽量・小型生花園芸鋏 ファミリーデラックス ホワイト 140DX
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