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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

アライグマ害
   

アライグマ害


『夏休みに、子どもたちに収穫の楽しみを…』と、早生のブドウ「キャンベル・アーリー」という品種を育てているのですが、8月5日の夜に果実を食い荒らされていました。鳥の被害かと思ったのですが、それにしても果房ごともぎとられているものがあり、『まさか獣によるものか』とも思いましたが、とりいそぎ隣の「ネオマスカット」にネットを掛けました。

ところが翌朝、ネットの隙間から入ったのでしょうか、かなりの被害がありました。そしてその深夜、奇妙な音がしたので戸を空けてみると、アライグマが逃げていくのを見つけたのです。


6月の下旬から、病害虫対策でJAの売店で入手した紙袋を掛けていたので、鳥にも見つからないであろうと油断をしていたのですが、鳥どころかアライグマとは驚きました。

アライグマ害

そこで早速、プロの園芸作業レポートでもおなじみの「藤稔」にしっかりしたプラスチックのネットを張り、さらにその上から目の細かい金網を張って、アライグマの前足でも果房に届かないようにしました。そして「羹に懲りて膾を吹く」ではありませんが、果房のあたりにはノラ猫除けの「キャットカット」を張っておきました。

アライグマ害 アライグマ害
アライグマ害

おかげで、9月初め、写真のように無事に収穫することができました。
今年のハプニングは災難のようですが、来年へ向けての貴重な情報を蓄えることができました。

この後、9~10月はブドウトラカミキリ(害虫)防除、12~2月にかけては剪定・誘引と施肥、できれば石灰硫黄合剤の散布。6月からはブドウスカシバ (害虫)の防除、袋がけをし、成熟期のはるか前の7月中旬にはアライグマ対策として、金網張りをしておこうと思っています。

どうやら、アライグマもそうでしょうが、鳥や獣などは果実の色の変化(成熟)だけでなく、芳香が果実から漂い出すのを、加食適期としているらしいので。
病気・虫・鳥・獣害対策を講じないと、来年からは無事な収穫が叶わないことになりました。特に獣害は、新参の「ペットくずれ」の出現は絶対にない、と断言できません。えらい時代になりました。

しかし、アライグマの被害は腹立たしいことですが、来年の収穫期までの宿題(対策)を提供してくれました。『来年の収穫期に笑うか悔しがるか。いや絶対に笑える状態をつくるには…』という希望と楽しみのあるスリリングな日々をいただいたことであり、アライグマに感謝しなければならないのかもしれません。


『アライグマ害』に適した刃物


鳥獣害も楽しみに変えて家庭園芸に取組む先生の姿勢が素敵です。どんなときも、楽しみながら作業したいものです。

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