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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

スモモのふくろみ病対策

スモモの苗木

スモモの「ソルダム」という品種を鉢で育てています。
植付け時の剪定ができていなかったので腰高の樹形になっています。
この状態で主枝を3本伸ばして育てる、といった一般的な樹形にはとても無理なので、半ば遊び心で枝垂れスモモにすることにしました。
幹の途中から取木をすることも考えましたが、あまり強い剪定をすると徒長して、結実しにくくなりますし、枝は下垂すると徒長しなくなるからです。

スモモのふくろみ病

ところが今春、開花後に写真のような奇妙な症状が現れました。
調べてみますと「スモモのふくろみ病」のようです。
英名ではPlum pocketsというのだそうです。きっと写真のように袋状になるからでしょう。

スモモのふくろみ病

この病気の発生は発芽時の降雨が大きく関係し、雨が多いと大発生する可能性があるそうです。
きっと雨で胞子が飛散して発病させるのでしょう。
逆に晴天の日が続くとピタッと発生は停止するとか。
今回被害を受けたのは「ソルダム」という品種ですが、
調べてみますと同じスモモでもヨーロッパスモモが被害を受けやすく、
わが国で栽培されている日本系スモモではソルダム、フォーモサなどがこの病気の被害が多く、
ビューティー、大石早生、ホワイトプラム、サンタローザ、太陽といった品種はあまり発病しないそうです。
「ソルダム」はわが国で美味な果実として定評があり、栽培も容易なのでこれからも期待される品種です。

基本的な対策

「冬季に防除しておく」

スモモのふくろみ病

対策としては、冬季に防除しておくということなので、この時季としては手遅れの感じですが、一刻も早く被害を受けた果実を摘み取り、焼却することでしょう。

特に放置しておくと現れる被害果の表面の白粉は子のう層で、ここから子のう胞子が飛び散り、枝に付着して越冬し伝染源になるのだそうです。
異常を見つけたら摘果を兼ねてできるだけ早期に除去しておきましょう

残念ながら今回はこの病気の被害を受けましたが、これの防除には発芽前に
「パルノックスフロアブル」の500倍液の散布が効果的とされています。

もう一つ不思議なくらいに効果的なオールラウンドな冬季の殺菌剤として「石灰硫黄合剤」があります。
皮膚につくと良くないので、手袋やマスクの装着が必要ですが、ぜひ見直したい殺菌剤でしょう。

モモの縮葉病

参考までに、「モモの縮葉病」も「スモモのふくろみ病」と同じように発芽前に対策を打つことが必要です。
縮葉病を見つけたら、すぐに葉を摘み取っておきましょう。
ちなみに、殺菌剤の散布時季は、多くの場合剪定が終わってから行うことが多いのですが、年内に散布しておくとこの冬はゆっくりできます。

モモの縮葉病

冬季の薬剤散布は、気がつくと発芽が始まっており病害虫に先手を打たれることがしばしばですから。


『スモモのふくろみ病』に適した刃物


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植物にもいろんな病気があるのですね。摘果作業にオススメの鋏を紹介します。

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