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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

ブドウの裂果対策

ブドウの裂果対策

 

 

 

 

 

 

「巨峰」、「ピオーネ」、「藤稔」など四倍体(巨大果)品種の栽培では、
裂果に注意することが大切だそうです。
わが家の「藤稔」も、昨年は成熟期にたくさんの“裂果”を生じました。
そこで、今年はその対策を中心に栽培計画を立てることにしました。
原因はいろいろあるようですが、特に下記の点に注意して管理します。

1)土壌の過湿

ブドウの裂果対策 ブドウの裂果対策

まず注意しなければいけないのは、土壌の過湿です。
降雨で果実が濡れることも裂果の原因の一つですが、土壌の乾湿の変化も裂果に大きく影響するそうです。
「藤稔」の近くに果実の容器栽培があるので、
それらに灌水した水が過湿につながらないように、写真のように排水溝を作ります。
排水溝を掘る順番は写真のように??とします。溝の底面に高低差を付けることで、
「藤稔」から遠いところへ水が流れ出るようにします。
さらに、今月から本格的な降雨の前には、
写真のようにビニールシートを敷いて、土壌の過湿を防ぐことにします。
ブドウの裂果対策 ブドウの裂果対策

 

2)葉と果房の調整

一つの果房の生長には約10枚の葉が必要とされます。
この木の場合、庭の状態から考えても新梢の長さは2mほどで摘心しなければなりません。
葉数からみると20枚前後になることでしょう。
だとすると、1本の新梢に2つ以上の果房をつけることは無理が生じます。
特にこの木の場合には、貧弱な新梢についている果房があります。
そうした果房は他の新梢から養分の供給を受けないと育ちません。
そのためにも強い新梢でも果房は控えめにつけるようにします。

 

3)摘果(花)

「デラウェア」などの小さな果粒と異なり、「藤稔」は巨大果粒ですから、
放任しておくと果粒の肥大が進み、潰れる果が生じますし、
それが腐敗して病気の発生にもつながります。
特に、「藤稔」は果粒が濡れるのは禁物ですから、
果粒と果粒の間に十分な隙間をとっておくことが必要です。
そこで、1つの果房に30粒ほどつけるのを目安として、
混み合った部分の貧弱な果房を間引いてやります。
摘果(花)は早いほど良いのですが、落果の危険があるので、
生長をみながら何回かに分けて行います。
第一回は摘花となりますが、
写真のように花房の先端部と基部をはずして、中心部を育てていきます。

 

ブドウの裂果対策 [作業前]
ブドウの裂果対策 [基部をはずす]
ブドウの裂果対策 [先端部をはずす]
ブドウの裂果対策 [作業後]

 

 

4)病害虫防除

裂果に関係する病気としては、灰色かび病・うどんこ病が知られています。
特殊な病気ではありませんので、市販の殺菌剤で防除できます。
できるだけ発生前に予防的に用いるようにしましょう。
特に袋掛けをする前に処理しておくことが大切です。
なお、害虫ではブドウスカシバがブドウの大敵ですが、今月からの防除が特に大切です。

 


『ブドウの裂果対策』に適した刃物


裂果対策が無事に成功しますように。ブドウの摘果には先の細いブドウ鋏が便利です。


ぶどう鋏

握りやすいグリップと、シャ―プな刃先は、ぶどうや果実の採果作業に抜群の操作性を発揮します。
ぶどう鋏デラックス直刃 320DX-T-BP
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ぶどう鋏デラックスソリ刃 320DX-M-BP
ぶどう鋏デラックスソリ刃 320DX-T-BP


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