「巨峰」、「ピオーネ」、「藤稔」など四倍体(巨大果)品種の栽培では、
裂果に注意することが大切だそうです。
わが家の「藤稔」も、昨年は成熟期にたくさんの“裂果”を生じました。
そこで、今年はその対策を中心に栽培計画を立てることにしました。
原因はいろいろあるようですが、特に下記の点に注意して管理します。
1)土壌の過湿
まず注意しなければいけないのは、土壌の過湿です。
降雨で果実が濡れることも裂果の原因の一つですが、土壌の乾湿の変化も裂果に大きく影響するそうです。
「藤稔」の近くに果実の容器栽培があるので、
それらに灌水した水が過湿につながらないように、写真のように排水溝を作ります。
排水溝を掘る順番は写真のように??とします。溝の底面に高低差を付けることで、
「藤稔」から遠いところへ水が流れ出るようにします。
さらに、今月から本格的な降雨の前には、
写真のようにビニールシートを敷いて、土壌の過湿を防ぐことにします。
2)葉と果房の調整
一つの果房の生長には約10枚の葉が必要とされます。
この木の場合、庭の状態から考えても新梢の長さは2mほどで摘心しなければなりません。
葉数からみると20枚前後になることでしょう。
だとすると、1本の新梢に2つ以上の果房をつけることは無理が生じます。
特にこの木の場合には、貧弱な新梢についている果房があります。
そうした果房は他の新梢から養分の供給を受けないと育ちません。
そのためにも強い新梢でも果房は控えめにつけるようにします。
3)摘果(花)
「デラウェア」などの小さな果粒と異なり、「藤稔」は巨大果粒ですから、
放任しておくと果粒の肥大が進み、潰れる果が生じますし、
それが腐敗して病気の発生にもつながります。
特に、「藤稔」は果粒が濡れるのは禁物ですから、
果粒と果粒の間に十分な隙間をとっておくことが必要です。
そこで、1つの果房に30粒ほどつけるのを目安として、
混み合った部分の貧弱な果房を間引いてやります。
摘果(花)は早いほど良いのですが、落果の危険があるので、
生長をみながら何回かに分けて行います。
第一回は摘花となりますが、
写真のように花房の先端部と基部をはずして、中心部を育てていきます。
[作業前] | |
[基部をはずす] | |
[先端部をはずす] | |
[作業後] |
4)病害虫防除
裂果に関係する病気としては、灰色かび病・うどんこ病が知られています。
特殊な病気ではありませんので、市販の殺菌剤で防除できます。
できるだけ発生前に予防的に用いるようにしましょう。
特に袋掛けをする前に処理しておくことが大切です。
なお、害虫ではブドウスカシバがブドウの大敵ですが、今月からの防除が特に大切です。
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