昨年の「藤稔」の栽培では、“裂果”が多く発生しました。
原因は雨の影響が一番だったようですが、栽培管理にも問題があったようなので、今年は“裂果”をさせない栽培管理に再挑戦しています。
ブドウの劣果対策をよむ
しかし、今年も力及ばず“裂果”が多発するようだと、やはりこの庭での「藤稔」の栽培は断念しなければならないのか…、と悲観的な思いもよぎっています。
そうなればまさに最悪のパターンですが、その事態に対しても対策を考えておかなければなりません。
その1番バッターが「藤稔」の枝に「ネオマスカット」「キャンベル・アーリー」「マスカット・ベリーA」など“裂果”を起こしにくい品種の“緑枝接ぎ”をしておくことです。
要領は簡単で、生育中の新梢を台木とし、台木よりやや硬くなっている新梢を接穂とするものです。
ポイントは台木の生育が旺盛なことと、接穂の芽がしっかりできていることですから、新梢の状態で示すと先端部に近い位置で台木を、基部寄りの少し硬くなっている部分で接穂をとることになります。
<さあ、やってみよー!>
1)台木選び
「藤稔」の新梢にはいずれも果房があるので収穫したいですし、幸い写真のように元気に伸びている腋芽(副梢)が見つかりましたので、これに接ぐことにします。
2)穂木選びと穂木の処理
※今回は穂木に「キャンベル・アーリー」を使用しました。
台木よりも少し硬くなっている部分を選びます。
写真のように節の上約2cmのところで切ります。葉柄も1~2cm残して切り取ります。
そして、節から下約7cmのところで切り取ったものが接穂となります。
最後に下部を2cmくらいの楔(くさび)状に切り、切り口が乾燥しないように口にくわえておきます。もちろん唾液で濡らしてはいけません。
3)台木の処理
先端部は伸びている状態で軟らかすぎるので、基部の少し硬くなった部分に接ぐことにします。写真のように、少し硬くなった部分で切断します。今回は葉を6枚程度残した位置にしました。
4)接ぎ方
写真のように台木の中央を2cmあまり切り込み、そこに接穂を差し込みます。
理想的には台木と接穂の太さが同じで、切り口がぴったりとくっつくことですが、もしも太さが違う場合には接穂を台木のどちらかへ寄せて台木と接穂の形成層を密着させてやります。
5)接ぎ木部の保護
最後に接木テープでしっかり固定し、雨水などの浸入を防ぎます。
今回の“緑枝接ぎ”ですが、もし失敗しても、生育中ならいつでも接木できます。これを機会に何種類か接いでみられてはいかがですか?
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失敗しても生育中ならいつでも接木できる、というのは心強いですね。みなさんもぜひチャレンジしてみてください!
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