2年前に温州ミカンを庭に植えておいたのですが、事情が変わって邪魔になりました。
せっかくここまで育ってくれたものですから、何とか移植するか容器栽培してでも育ててやりたいところです。
幸い、あまり大株にもなっておらず徒長してもいないので、時期的には少し遅い感じですが、根廻しをして細根を発生させておき、来春か梅雨時に移植することにしました。
当然のことながら、移植にあたっては根の性質をよく理解しておくことが大切です。
根は太細いろいろ出ていますが、養水分吸収の主役は発生して間もない、白くて細い根の先端部分です。黄色や褐色になったものは、せいぜい吸水するのが精一杯と思ってよいでしょう。
この木の場合でも、今掘り上げて、すぐに植付けた場合には、肝心の細根をほとんど切り捨ててしまうことになります。
もちろん根を乾かさず、枝葉を間引いて蒸散作用を抑制することで、何とか根付かせることはできますが、その後の生育は芳しくないことが予想されます。
そこで、今根回しをして、来春までに少しでも多く細根を発生させておく方法をとれば、移植による木の負担を軽くしてやることになりましょう。
ところで、温州ミカン(柑橘類)の根は、地温の影響を受けて10℃以下になると活動が鈍くなるそうです。たまたま、今年の夏は非常に暑かったこともあり、まだ地温はしっかり保たれています。
多くの場合、根の活動は落葉樹とは異なり、春の発根時期は遅く、5月から始まって7~10月が本格的な発根時期になるそうです。10月下旬から根の発生伸長は衰えますが、急激ではなく12月まで続くとされています。
そうしたことからみて、この時期に根回し(断根)を行えば、来春までに根の傷口の治癒が進みますし[癒合剤塗布]、幾ばくかの発根が期待できます。適期の晩春か梅雨時に移植してやれば、容易に活着し順調な生育をすることでしょう。
<さあ、やってみよー!>
「根鉢」を作る
地面を掘る
写真のように、株元から15cm辺りより外の土を掘り起こして、直径30cm位の「根鉢」を作ってやります。これで、横やななめに伸び出していた根を切断し、新しい根の発生を促すことになりましょう。
なお、直根が太い場合には環状剥皮をしたり、多い場合には一部を残して間引いておきます。
根鉢を包む
堀り上げた時に新根を傷めないように、根鉢をビニールや不織布のようなもので包んで、新根を根鉢から外へ伸ばさないようにしておきます。
今回は、波板を用いて囲むことにしました。
鉢の中に土を足し、灌水する
土を足す
潅水する
足した土は、波板との隙間にしっかりと入れ込みます。
灌水した水が、底からもれてこなければしっかりと包み込めているということです。
土を戻す
鉢の周りに土を戻す
鉢の周りに土を戻します。これが、保温にもなります。
剪定
剪定する
根を切った分、地上も切って根の負担を軽くします。
特に、今年伸びた夏枝(緑色が薄いもの)は外します。
温州ミカンの根回し完成
完成
これで完成です。来春か梅雨時に移植します。
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