秋の苗木入手~園芸店で~ [陽春園・あいあいパーク]
10~11月は常緑樹、11~12月は落葉樹の移植・植付けの適期とされています。
常緑樹の場合は、この時季より遅くなると温度不足になり、
根の活動が弱まって活着しにくく、越冬力も低下するということからのものでしょう。
落葉樹の場合は、この時季より早いと、まだ緑葉が着いていて活動しているため、
株の充実を妨げることになります。
それに、株の活動が盛んな状態(特に蒸散作用)で移植すると、
萎れやすく、活着が順調に行われないからでしょう。
しかし、こうした問題は、畑で育てている苗木を掘り上げ、
店頭に並べている条件での話で、最近のようにポットで育てられている苗木の場合には、
酷暑・酷寒の時季以外は、移植・定植の失敗で枯らすことは少なくなりました。
さて、今回は時季の苗木を選んでみましょう。
それも、結実していてラベルと確認でき、
来年からも収穫が楽しめるポット植えのものについての留意点を整理してみます。
よく充実していること
来春の発芽・発根の良否は、今年中の貯蔵養分の多少に直結しています。
まず、全体の印象として元気そうなものを選びましょう。
具体的には、幹や枝がしっかり(太く)していて、枝数が多いもの。
さらには、芽が大きく、芽と芽の間隔が短いものです。
ウメ・スモモ・モモなどは今年伸びた元気な枝には、花芽がついているのを確認できます。
常緑樹の場合は、葉が多く、それぞれが大きくて分厚く、
緑が濃く、艶があるものが元気な苗木です。
無病害虫
病気で葉が変形していたり、害虫に食害されているものは当然ですが、
カイガラムシなどは枝の色に似ていて、つい見落としがちです。
苗木と一緒に病害虫を持ち帰らないようにしましょう。
果実の数
ラベルだけでなく、果実を確認して求められるのも、秋の苗木選びの利点です。一見すると、たくさん着果しているものに目を奪われますが、来年以降のことを考えますと、できるだけ着果の少ないものを選びます。というのは、今年着果した枝は果実を養うことが主であったため、枝自体の充実が悪く、来年の結実を期待できないからです。
今年は結果せず、夏に花芽ができてしっかりした枝の多い株を選ぶと来年の結果を期待できます。
(写真:左のみかんはあまり着果していない)
枝の位置が低いもの
家庭の果樹としては、コンパクトな樹形に育ってくれると、多くの種類を楽しめます。特に容器栽培の場合は、株元から枝が茂っているものが適しています。
ポットで今年育ったもの
来年からの順調な生育が期待できます。
編集後記
いろいろな果樹苗がありましたので、ご紹介いたします。
今年は猛暑だったため、落葉樹の堀り上げは1ヶ月ほど遅れているそうです。
取材に伺ったのは11月初めでしたので、そろそろ店頭に並び始める頃だと思います。
柑橘類
柿
シークワーサー
姫イチゴの木
ステキな果樹盆栽を見つけて、じっくり見定めている西先生
今回は、兵庫県は宝塚市山本の
陽春園様、あいあいパーク様に取材のご協力をいただきました。
ありがとうございました。
陽春園
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あいあいパーク
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