5年前に北摂のわが家の庭で、ブドウの「キャンベル アーリー」「デラウエア」「ネオマスカット」の3品種を植付け、同じように手入れをしているのですが、繁茂の状態は「ネオマスカット」が断然一位で、続いて「キャンベル アーリー」「デラウエア」の順に育っています。
それでも、一番大切なのは「キャンベル アーリー」です。名前の通り早く熟することを、遠くに住んでいる小学生の孫は知っており、夏休みに入るといそいそと収穫にやってくる、という事情があるのです。
さて、この「キャンベル アーリー」(ブドウ)の季節(冬)の手入れとして大切なのが剪定です。
御承知のように、ブドウは前年に伸びた枝の充実した芽から、今春に伸び出した枝に結実します。ですから、放任して痩せた枝先から伸び出した枝には結実しませんし、家庭の庭では場所を占領されて大変です。
そこで、わが家の場合には、写真のように線色を帯びていたり、細い枝は基部から切り落とします。
褐色でよく充実した枝は、基部の3~4芽を残して切り落とします。この際、注意したいのは、切り口から枯れ込まないように、写真のように節(芽)で切ることです(犠牲芽剪定)。
切り口が大きい場合には切り口癒合剤(トップジン)を塗布しておきます。
さて、この枝の場合には、来春に3本の新枝が伸び出します(3つの芽を残したため)。3本そのまま育てると、茂り過ぎになる場合には、元気な2本を残して間引くことにします。
新枝は2~3m位に制限するので、収穫予想では果房は制限して一つの技に2房着けるとすると、この枝からは4房となります。一つの枝に花房は二つ以上着きますが、制限してやる方が充実した果実が得られます。
なお、残す枝の間隔ですが、最低20cm以上を確保してやるようにします。少し混み合うかも知れませんが、ブドウの葉は同化作用を旺盛に行うので、葉と葉がかなり重なるような状態でも大丈夫なようです。
剪定をし、切り取った枝をそのまま残しておけば、来年の新枝の誘引にも利用できそうですが、必ず回収しておきましょう。
というのは、昨年の枝には病害虫が潜んでいる可能性があります。わが家でも、昨年は黒痘病で落果や病葉がかなり発生しました。この病気も、枝で越冬しているはずなのです。病気の予防の点から、ぜひ実行したい作美ですが「暮れの大掃除」にもなります。すっきりとして新年を迎えましょう。
なお、回収した枝のうち充実しているものは、挿木・接木にも利用できます。自宅で必要がなくても、欲しい人が現れるかもしれませんから、庭の一隅の、排水の良い場所を選んで、乾燥させないように湿った土に埋めておきましょう。
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