厳しい寒波の襲来です。
春の訪れが遅くなるのでは…と気になりますが、
植物(特に落葉樹)の発芽・開花が早まるかもしれません。
今回は「この冬の注意」と「落葉樹の剪定・挿木」についてお伝えしたいと思います。
この冬の注意
例年と異なり、西日本の寒波(積雪)が多いことが心配です。
落葉樹は、冷蔵庫以下の温度に1ヶ月以上出会うと、休眠が破れ、
気温の上昇を感ずると敏感に反応して、樹液を枝先に送り届けようとします。
その営みは、非常に強いのです。
もしも、枝が傷付けられると、そこから流失する樹液の量は驚くほどです。
それに、傷口(切口)の治癒が進まないので、株の衰弱はとても大きいものです。
そこで、この冬の落葉樹の剪定は例年より早めに済ませておきましょう。
忙しくて切り取った枝の整理ができない場合には、剪定だけでも済ませておくと良いですよ。
落葉樹の剪定・挿木
写真は、ブドウ(品種:ネオマスカット)ですが、あまり茂られては困るので、
昨年伸びた枝の基部の3芽を残して剪定することにしました。
基部の3芽を残したら、4芽目の上で剪定します(犠牲芽剪定)。
枝の整理をする時間がない場合は、取り急ぎ剪定だけを済ませておきます。
【挿木】
切り取った部分の枝は、捨てるにはもったいないので挿木をすることにしました。
ブドウにはフィロキセラなどの病害虫対策から、
免疫性の台木に接木した苗木が市販されています。
しかし、挿木苗も案外丈夫ですし、コンパクトに仕立てたい鉢栽培では重宝します。
<さあ、やってみよー!>
挿穂の準備
ブドウの芽は節にしかついていませんし、根は節のすぐ下から発生しやすいので、
挿穂にはしっかりした芽のついている節を2つ以上確保してやります。
挿穂の上下は芽の向きを確認すれば判別できます。
芽が上を向いている方が上になります。
用土の準備
挿木では、排水・保水が良好な「赤玉土」がよく用いられます。
しかし、厳寒期は「霜柱」が立ちやすく、
そのため挿穂の浮き上がりが生じて、失敗することがあります。
そこで、挿木後の保温が大切になります。
保温には、深鉢を使用する(小さい鉢は用土全体が冷えやすいため)、
鉢ごと地面に埋める、軒下に置くなどが有効です。
今回は、深めの鉢を用意しました。
「赤玉土(中粒)」を入れた鉢を、一回り大きなバケツに水をはった中に入れこみ、
用土全体がひたひたになるようにします。
挿木
準備しておいた挿穂を周りから順に挿していきます。
内側は、挿穂がぐらぐらしないように小さな鉢を入れて支えにしました。
発根には15度以上の地温が必要とされ、
春になってからの挿木が良いように思われますが、
結果としては、枝の休眠時が良いものです。
休眠時は傷の治りが早く、挿穂の衰弱を防ぐためです。
ぜひ、早めに行ってください。
おまけ
写真左 挿木しておいた苗の様子
写真右 枝が節から伸びだしている様子
今回は、アルスの数ある剪定鋏より、本格派剪定鋏をご紹介します。
V型シリーズ
余裕のVシリ―ズ。刃の開きが大きいから剪定がスム―ズにできます。
滑りがよく木のヤニがつきにくいハードクロームメッキを採用。
磨耗やサビに強い、優れた耐久性を誇ります。
また、グリップの開き角度が小さくても刃が大きく開くので、太い枝でも楽々カットします。
高級剪定鋏ブイセブン V-7
高級剪定鋏ブイエイト V-8
高級剪定鋏ブイナイン V-9Z