鉢植えのスモモ(品種:大石早生)を今春に露地植えにしたのですが、
樹形を変更することにしました。
これまでは、主枝を複数にして自然(立体的)な樹形を計画していました。
それを、主枝を左右2本とし、
平面的な樹形に変更することにしたのです。
その最大の理由は、最近のアライグマ被害の増加です。
わが家でも、一昨年にブドウで被害を受けてから、
結実している部分を金網で覆って保護し、
犬猫の忌避剤を散布しています。
ブドウは、写真のように平面的な仕立てをしていますので、
金網を覆うのは簡単な作業ですし、枝葉もあまり傷めずにすみます。
ところが、樹形が立体的になると、
被覆するのが面倒になりますし、どうしても無理をすることになるので、
枝葉を傷める可能性が高くなります。
そこで、スモモも平面的な樹形にすることにしたのです。
<さあ、やってみよー!>
南北に伸びている2本の主枝の選定
せまい庭にいくつもの果樹を植えているので、
お互いに日陰をつくって隣の木の生育を妨げないようにすることが、
植付け位置と樹形作りの基本になります。
問題は、この木を含めて、自然な樹形の中では、
理想的に左右に枝が広がっていることは稀だということです。
特に主枝を3本で仕立ててきた場合には、
当然、主枝の角度から見ても無理です。
そこで写真のように支柱を使って整えてやります。
【1】支柱を横に渡す
全体の軸となるような位置で支柱を横に渡します。
位置を決めたら幹に縛りつけ、
付近の枝を支柱へと誘引します。
左:正面から見たところ 右:横から見たところ
【2】さらに支柱を2本使って、上部の広がった部分を挟み込む
上部の枝が広がって、まだ平面にはなっていません。
そこで、さらに支柱2本を使って、
上部の広がった部分を挟み込みます。
これで、大体平面に整いました。
左:正面から見たところ 右:横から見たところ
枝の処理
一言で言えば「不要になった枝は間引く」ということです。
ところが、ここで未練(早く収穫したい想い)がでてしまうのです。
スモモは旺盛な生育をした一年性の枝にも花芽が着きますが、
結実はあまり期待できません。
2年性以上の古い枝が大事なのです。
そこで大切な2本の主枝の生育を妨げない枝は
可能な限り残すことにします。
写真のように、足元から手前に伸びている主枝がありますが、
切ることが第一目的ではなく、来年の収穫を第一目的とし、
残しておきます。
収穫後に切るつもりですので、
そのときには本当の平面になるというわけです。
切り口の処理
不要な枝の切り方は2通りあって、
1つは写真のように枝を基部からきれいに切り取る方法です。
もう1つは、写真のように少しだけ基部を残して切る方法が考えられます。
姿としては前者のほうが望ましいのですが、
木の生育からみますと、少し基部を残して切除する方が良いようです。
と言いますのも、木自身が切り口からの危険(病害虫の被害)に備えて、
保護層を形成するらしいのです。
そうした木自身の生理的な営みがあったとしても、
栽培的な感覚として大きな切り口は癒合剤などで保護しておきましょう。
薬剤がなくても、風雨にさらされないように
ビニールなどで切り口を包んでやるのも一法です。
おまけ
以前に平面仕立てにしたイチジクも元気に育っています。
たくさんの果実もなっていますよ
平面仕立てなので、アライグマ対策のために金網で覆うことも、
そこまで苦労はありません。
それに、一般家庭で場所を取らずに果樹栽培を楽しむことができます。
皆さまも、ぜひご家庭で果樹を育ててみてください。
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