元々は露地植えをしていたモモですが、
庭の都合で容器栽培にしている株です。
全ての葉を落として休眠に入ったようなので、
植え替えをし、少し樹形をコンパクトにし、
盆栽風の仕立てにしたいと思います。
まず、容器を外して根の状態を点検します。
容器を外したら、周囲10cmほどの土をくずしていきます。
2年間容器で育てたのですが、根は写真の状態です。
根を切り戻します。
もう少し内部から新根を発生させ、根群を小型にするためです。
傷口の大きなものはトップジンM(傷口保護剤)を塗っておきます。
このように、根群の状態をしっかりと確認しておくことが
樹形づくりの基礎となります。
地上部を養うのは地下部(根)となる訳ですから。
根の整理が終わったら、容器(枠)を戻します。
根群の周囲に補う用土は赤玉土の単用とします。
露地植えされていたときは、
排水の良い山土で、赤玉土がそれに近い用土だと思いますので。
なお、赤玉土を少し湿らせてから用いると根の乾燥防止になりますし、
植え替え終わって潜水したときに水がムラなく浸透してくれます。
灌水はじょうろでていねいに行います。
用土のどの部分にもムラなく水を供給してやることが第一ですが、
新しく補った赤玉土を根に密着させることも大きな狙いです。
底から水が滲みだすまでが目安です。
根の処理ができたら樹形づくりです。
肝心なことは、根張りの状態を思い浮かべなから行うことです。
枝が多すぎて根の負担が大きすぎると枝枯れを起こしますし、
枝が少なすぎると枝の徒長を起こして、
せっかく着いた果実の落果を引き起ことがあるからです。
強い剪定は落果を引き起こすことは他の果樹でも認められますが、
モモ、それも若い樹は枝葉の伸長が極めて旺盛なので、強い剪定は危険です。
露地植えの安定した樹の場合でも、
枝の間引きは3割以内に止めておくのか安全だとされているようです。
そのほか、
枝の整理は下方の主枝から始めます。
上方の枝の剪定を間違えても新しい枝の発生を期待できますが、
下方の枝になるほど枝の再生は難しくなるからです。
小枝については、まず枯れ枝から行い、貧弱な枝へと進めます。
枯れ枝を外す
写真を見ると、少し枝の色が変わっているのがわかるでしょうか。
それが、枯れ枝です。
枯れ枝は外します。
▼指で押さえている枝が枯れ枝です
▼左側の枝が枯れ枝です
樹形を考えながら、主枝となる大枝を切り詰めます。
大きな切り口にはトップジンMを塗っておきます。
まっすぐに直立した徒長枝は外します。
最終的な樹形がこちらです。
今回は「庭で育てるのだから」と盆栽仕立てとまではいきませんが、
盆栽(自然形)風な仕立てを念頭に整枝剪定を行ってみました。
最終的な樹形を見ると、
一の枝(もっとも右側の枝)の勢いが非常に強くなっていますが、
下枝は枯らすと蘇ることがないため、とても大事にしたがゆえです。
来年は1の枝に実をたくさん着ける予定です。
『モモの植え替え ~盆栽風な仕立て~』に適した刃物
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