庭木の剪定が終わったら、「根切り」をしておきましょう。
趣味園芸では、狭い庭にあれもこれもと植え付けてしまいがちです。
しかし、油断していると樹勢の強い根が場所を占拠し、徒長してしまいます。
そのしわ寄せで、近くの植物は衰弱に向かいます。
元気な庭木に接した芝生の縁が枯れ込んだりするのも
そうしたパターンです。
木の勢いは剪定によってかなり制御はできますが、
果樹の場合には地上部(幹枝)と地下部(根)のバランスを
うまく保ってやらないと落果を引き起こします。
<さあ、やってみよー!>
わが家の場合、モモが旺盛な生育をしており、
近くのスモモやリンゴなどが圧倒されかけています。
元々、モモは若木のときの生育が非常に旺盛ですから、
元気な枝をそのままにしておくと、
周囲の植物は庄倒されてしまうでしょう。
そこで剪定ですが、モモの場合は、
根が旺盛な状態で枝を多く切除すると、
てきめんに落果を引き起こします。
まず、株元から根の状態を確認します。
少し掘り下げてみます。
この木の植わっているのは盛り土をした所なので、
太い直根が真下に伸びているようです。
こうした強い直根がある場合には、
樹勢が強く徒長枝がよく発生します。
利点としては倒伏の心配をしなくてすみます。
直根が強いので横に広がる根はあまり見当たりません。
それでも写真のように何本かの横根がありました。
斜面に植わっており、直根がなく、地表近くに根が張っている場合には、
上方に伸びた根を切断すると、風などによって下方に倒れる心配があります。
ですので、間引く根は株の下方にあるものとします。
また、間引く根の量は、3割以内とします。
切除する根ですが、切り口付近から新しい根を発生させたいので、
写真のように基部を残して切断しました。
大きな切り口にはトップジンMを塗って保護してやります。
根とのバランスから、切除する枝の量は3割以内を目安とします。
特にこの木のように若い場合は、強い剪定は徒長枝が発生しやすく、
落果を引きおこしやすくなります。
▼地上から約3mほどの高さまで徒長した枝群
▼高枝はさみで剪定
▼剪定完了
樹勢の調節
剪定か終われば「芽出し肥」を与えたくなりますか、
今回は控えておきます。
強い根切りや剪定を行うと、
木は樹勢の回復を計るのか、徒長傾向になりやすいものです。
そうしたときに肥料があたえられていると
その勢いの追い風となるからです。
なお、現在の根群は旺盛な直根中心になっていますが、
早く地上部の安定した生長を思うと、
直根から発生する支根(横根)中心の樹形にしたいところです。
そうした場合、積極的に支根を張らせるために、
支根を発生させたい部分のすぐ下に傷をつけてやるのもー法です。
具体的には、樹皮(形成層を含む)を鋭利な刃物で2cmくらい剥ぎ取ります。
『 モモの根切り 』に適した刃物
今回使用したのは高枝はさみズームチョキチルトRシリーズです。
アルスの長い高枝はさみの歴史の中の、
まさに“決定版”とも言えるズームチョキチルトRシリーズ。
3m先の枝もまるで手元で切っているかのような感覚です!