ダイダイは子孫繁栄の「代々」につながるからでしょうか、
縁起のよい植物の一つとされています。果汁はとても酸っぱいので生食には向きませんが、お酢や風邪除けの薬としても重宝されます。
わが家でも大切な果樹ですが、丈夫な性質なので大きくなりすぎましたから切り戻しました。切り口から新梢が発生しましたので、これらに違う種類の柑橘を接木することにします。
接ぎ木には、主に若い枝に接ぐ、「緑枝接ぎ」 と古い枝に接ぐ、「腹接ぎ」があります。今回はこの二種類のやり方をご紹介します。
穂木は若い枝(草本類に近い形質)なので、接合が短期間に完了することを期待しています。今回は、八朔の接ぎ木をしてみることにします。八朔だけではなく、デコポン・伊予柑・温州みかんなど多品種接ぎに挑戦してみてもおもしろいですよ。
穂木の準備
穂木は、葉がよくついて、節間が短い、充実した枝を選び、2芽をつけることにしました。しっかりした穂木であれば1芽だけで接木することもできます。
穂木にする枝
残したい芽の位置まで上部を切る
芽を2つ確保して、葉を落とす
乾燥を防ぐために接木テープを巻く
※芽は包まないように注意しましょう
短く切る
3~4㎝くらいに切ります。穂木が長すぎると、穂木と台木との間での水分や養分の交換が上手くいかず、失敗の原因になります。
緑枝接ぎ(割接ぎ)の先端の切り方
ナイフを使い、枝の両側を30度くらいの角度に切り落とします。
▼写真のはさみは、フローリストナイフ フローナ曲刃
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腹接ぎの先端の切り方
ナイフを使い、枝の片側を30~60度の角度に切り落とします。
斜めに切断した先端の反対側の先端は、木質部(白い部分)が出る程度に削ぎます。
台木を切り込み、穂木を差し込む
穂木の太さと似通った太さのものを選んで台木とします。
穂木のポイントである形成層(樹皮のすぐ内側にあります)が、穂木とうまく密着するからです。もしも、穂木と台木の太さが異なる場合には、左右どちらかの形成層がうまく接するように片側に寄せてやります。
■緑枝接ぎ(割接ぎ)の場合
台木を準備します。穂木の接ぎ部分は乾燥しないように口にくわえておきます。乾燥防止が目的ですから、穂木を舌でなめないようにします。
深さ1cmくらいの切り込みをいれます。
穂木を挿し込みます。
枝の中央に切れ込みを入れ、穂木を差し込みます。
※活着したら、テープを外します。活着までは1ヶ月ほどかかると思われます。
腹接ぎのやり方
枝の外側気味に、斜めに切り込みを入れます。穂木は角度をつけた方を外側にして、差し込みます。穂木と台木の太さが異なるので、左右どちらかの形成層がうまく接するように片側に寄せてやります。
接木部の固定
接木部が動くと癒着しません。そこで接木テープなどを用いて固定してやります。
接木部は動かないようにするだけでなく、水分(雨水など)が流入しないように、しっかりと接木テープを巻いておきましょう。
接ぎ木後に注意すること
乾燥防止
接ぎ穂と台木部をビニール袋で包んで、接ぎ穂の乾燥を防ぎましょう。
袋は透明なものを用いておくと、接木後の生育状態の観察に好都合です。
ここで重要なのは、完全に密閉してしまわないように、袋の上部に少し切り込みを入れておくことです。
日陰づくり
これからの季節は高温障害が心配です。
それには、直射日光を防ぐことが第一なので、今回は板箱を上部に置き、直射日光を防ぐことにしました。
補欠の接木
接木したものが確実に成功する保証はありません。幸い、台木から沢山の新梢が発生しています。それを穂木に利用して補欠の接ぎ木をしておきましょう。もしも失敗すれば、8月の間は接木が可能なので、やり直しをします。
記録を残そう
作業が終わったら、品種名や作業の日時を記したラベルをつけておきましょう。
接木後の生育の状態をはっきりと知ることに役立ちますし、想い出にもつながります。
今回使用した刃物
1つの木に多品種の果実が生るのは夢のようでワクワクしますね
接木は乾燥しないうちに素早く処理することがポイントです。
ぜひチャレンジしてみてください。接木部の切り込みにはよく切れるナイフが必須です!直刃タイプと曲刃タイプがございます。
フローリストナイフ
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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