カキの栽培で最も注意することは、果実をならせすぎると、翌年は果実がならなくなる「隔年結果」を防ぐことです。
蕾は、前年に元気よく生長をした枝の先端部に近い、充実した芽から伸びだした新梢に着きます。放任しておくとそれらが結実して、樹の衰弱を引き起こし、
翌年には“収穫皆無”ということになります。
それを防ぐのが冬季の剪定です。樹形を考えながら、結果母枝を間引いておく作業です。
ですので、冬季の剪定は蕾を増やすのではなく、間引く作業になります。
そのことによって、樹の負担を軽くし、
翌年も安定した結実を期待する技術なのです。
さて、今回の作業は、残された蕾をさらに間引く「摘蕾」です。
冒頭でもお伝えしたように、蕾は前年に元気よく生長をした枝の先端部から伸びだした新梢に着きます。
これを放任しておきますと、果実は小玉になりますし、おいしくありません。
それに、樹の衰弱を招いて、翌年の収穫が期待できなくなります。
● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ● ● ● ●
摘蕾の要領ですが、
新梢の特性を知っておく必要があります。
基本的には結果母枝(前年の新梢)の先端から
伸びだした枝ほど、元気で蕾も多いものです。
さらには、一番上部の枝の新梢の果実は
大きく育つということが多いのですが、
二番目の新梢に着いた果実は落果しにくい、
といううれしい性質を持っています。
さて、写真はよく見られる新梢の状態です。
前年の新梢(結果母枝)から元気な新梢が伸びだして、
上から5本の新梢には蕾が着いています。
しかし、その上部2本の新梢の蕾以外は
全て取り除くことにしました。
▼摘蕾前
▼摘蕾後
多くの場合“一枝一果”を目安に摘蕾をするのですが、
大果実味を期待する場合には、“一結果母枝一果”とする専門家もいます。
ひとつの果実を育てるには20枚の葉が要る、
と言われるところです。
さらに、翌年のために結果母枝も
養成しておかなければならないのですから、
樹の負担は早く軽くしてやりたいところ。
特に、カキの根は活動が遅く、
初夏にならないと本格的にならないので、
それまでは貯蔵養分を大切にしてやりたいのです。
作業にあたって注意したいのは、
早く行うと枝を折ってしまうことで、
遅くなると摘み取りにくくなることです。
ひとつの目安は新梢の伸びが止まったときかもしれません。
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