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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

カキの落果防止対策

カキの幼果は6月(梅雨時)によく落果するので、「ジューン・ドロップ」と呼ばれたりします。原因としてはこれまで、受精不良・日照不足・栄養不良・土壌水分(過湿や過乾燥)などが挙げられていました。

受精不良については、カキは品種によって、受精しなくても結実する品種がありますが、基本的にはさせてやるように管理します。


受精の主役はミツバチとされ、この時季に殺虫剤の散布は禁物です。
できれば近くに、ミツバチが好きな黄色や紫色の花を植えておきます。
積極的には人工授粉が行われています。

栄養不良については、発芽以来の貯蔵養分の消耗が極限になっており、
新葉の同化作用が頼りなのに、梅雨時の日照不足という最悪の環境が影響しています。
株元にシルバーシートを敷くなどして、少しでも同化作用を盛んにしてやりたいところ。土壌水分管理については、梅雨時の排水・梅雨明けの敷き藁などを配慮してやりましょう。

ところで、最近注目されているのが異常気象です。
第一が冬の高温多雨です。これによって休眠打破が順調に行われない
「寝ぼけ」状態のまま春を迎えるのです。
もう一つは春の低温です。これで発芽が抑制されたり、
雌花の柱頭が被害を受けて受精が行われないことになります。

家庭での栽培では、霜除けや防風、敷き藁などが限界ですが…。
化学的な処理としては、ジベレリン(生育促進剤)の散布があります。

栄養生長が緩慢で、夏まで新梢がだらだらと伸び続けているような場合に効果的です。

要領は、開花後10日ごろに、100ppmの溶液を散布すると効果があるとされています。最後になりましたが、樹体の管理も見逃せません。

第一は剪定をできるだけ控えて、木の安定した生育をさせてやりますカキは直射日光の当たっている古い枝から、不定芽がよく発生しますが、多くの場合は直立していて、そのままでは樹形を乱す「邪魔枝」になります。

しかしこれを横に倒してやると、元気なものは翌年には結果母枝となってくれる可能性があります。特に若木の場合などは、誘引によって樹形を整えることをまず考えましょう。養分の浪費を防ぐことも大切です。

新梢が密生している場合には、必要なものだけ残して早めに間引きます。

●●● 枝の処理 ●●●

不定芽が発生している枝

▼枝の処理1

密生している枝は間引く

▼枝の処理2
捻り(ねじり)を加えて枝を横に向ける

▼枝の処理3
誘引によって枝を横に向ける

▼枝の処理完成

葉の重なりがなくなり、すっきりとしました。

木が古くなると、枝垂れた枝が多くなります。枝は枝垂れるほど衰弱し結実しなくなります。もしも必要な枝の場合には支柱を添えて、枝を上向きにしてやると元気を回復します。不要なものであれば早く除去しておきます。

▼枝垂れた枝


支柱を使って上向きにする

●●● 枝の角度による状態の違い ●●●
上向きの枝=生育旺盛&元気いっぱい

横向きの枝=少し弱り気味

下向きの枝=衰弱の一途・・・

●●● 果実と葉のバランス ●●●
果実と葉のバランスも大切です。
目安は果実一つに葉20枚です。
葉が5枚以下の枝では、
まともな果実の収穫は期待できませんから摘果しましょう。
葉が5枚以下の枝
まともな果実の収穫は期待できないので摘果します。

葉が20枚以上の枝
元気な枝でも「一枝一果」になるよう摘果します。


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