甘い果実の代表選手として、まず浮かぶのはカキではないでしょうか。
特に干し柿の味は絶品です。
我が家でも「富有」という品種を植えていたのですが、
受粉樹として「禅寺丸」を近くに植えることにしました。
「富有」という甘柿は素敵な品種で、一株だけでよく結実してくれますが、
やはり受粉樹と一緒のほうが良いだろうと思ったからです。
受粉樹なので、鉢植えとして開花時に「富有」の近くに置いていたのですが、
面倒なので「富有」のそばに植えるこにしました。
ところが植えたい場所の辺りにはウメが頑張っています。
果樹の本をみますと、しっかりと幹を伸ばした変則主幹形という樹形が良いそうなのですが、無理な話です。
何しろ狭い庭ですから。
そこでカキに我慢してもらうことにしました。
「富有」とウメの間に住み込むことにしたのです。
その結果、導き出された姿は、
「一文字仕立て=両手を広げたような樹形」です。
「禅寺丸」は不満でしょうが、こちらの都合では
「富有」がお目当てなんですから。
ただしばらくは「禅寺丸」の繁る空間があるので、
伸びたいという希望を活かしてやることにします。
樹形作りでは、剪定という言葉が強く浮かびますが、
今回は誘引を優先することにします。
● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ● ● ● ●
逆枝の処理
枝は外へ向かって伸ばしてやることが基本です。
が、写真のように内側に向かって伸びた枝を逆枝と言います。
通常であれば、逆枝は外してしまうのですが、今回は枝をすべて活かす方法を選択しました。ですので、支柱を用いて、逆枝が外側に向くように誘引しました。
結果枝の確保
カキの花芽は夏につくられます。
花芽は伸長が止まった、
充実した春から伸びた枝(春枝)の先端部につくられます。
モモなどとは違う特性です。
このことは樹形作りでのポイントとなります。
庭木の場合、樹の美しい姿を維持するには、
徒長枝の切除がまず考えられます。
マツやモミジのような枝葉の風情を楽しむ庭木の場合は
それでよいのですが、果樹の場合は実をつけなければ話になりません。
モモのように昨年の新梢からの途中の芽も、花芽になるのとは違います。
カキは徒長枝の先端部の芽が花芽となる可能性が高いのですから。
ではどうするか?
樹が大きくなるの抑えながら、花芽を確保するには…。
答えは、
写真のように徒長枝(強い枝)を斜めに誘引するのが無難な処理です。
この際に、普通の枝の場合には誘引するだけでよいのですが、
枝の勢いが非常に強い場合には、
枝を捻って樹液の流れを妨げてやると効果が高まります。
カキの一文字仕立て完成
少しわかりにくいですが、支柱を横に1本通して、左右に広がった枝を誘引しています。枝をすべて活かしながら、省スペース化をはかりました。
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『 カキの樹形作り 』に適した刃物
誘引の紐やビニールはもちろんのこと、
ちょっとした小枝も切れる「クラフトチョキ」。
刃先の切れ味が抜群ですので摘蕾にも最適です。
グリップカラーは全部で6種類。
お好きな色をお選びください。
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