ブドウの苗木づくりは、もっぱら接木で行われます。
もともと、ブドウは挿木・取木でも簡単に殖やせるのですが、
根に寄生するフィロキセラという恐ろしい害虫の被害を防ぐために、
抵抗性のある台木に接木しているのです。
ところが、わが国の場合、 長く接木で繁殖されていることから、
フィロキセラの被害を受けることは少なくなっており、
挿木や取木で育てたブドウで、 正常な収穫をしている例もあるようです。
特に、容器栽培などの場合では、 新しい用土を用いること、 栽培期間もそんなに長くないことから、 挿木・取木での繁殖が魅力です。
そこで今回は取木を試みることにします。
挿木の場合は、実施するのに 年末から年始まで待たなければなりませんが、
取木の場合は順調にいけば年内に発根し、 来春早々から新梢を茂らせることができるので それだけ開花結実が早まり、よい果実の収穫ができそうですから。
● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ●
良い枝を選ぶ
節間が詰まっているものを選ぶ。
節間が長いものほど徒長している可能性が高い。
割り箸よりも太く、親指よりも細い健康的なものを選ぶ。
▼良い枝
▼良くない枝
発根の位置
充実した根の6節~20節の、節の直下から5mm位の辺りから発根させる。
5節以下の芽からは来春に新梢(結果枝)を出させることもできる。
環状剥皮
節から5mm位のところに行う。 樹皮と形成層をきれいに取り除く。
発根促進
取木した部分から上部の枝がよく充実していることが大切。
第一は枝葉を傷めないようにすることです。
よく発根する性質ですが、発根促進剤処理も有効です。
発根部の保護
水苔で包んで根の生育を助けます。
水苔の乾燥防止と、光を防ぐために黒いビニールシートで包みます。
取木の魅力
もし発根しなくても…
冬に挿木をするより発根率が高くなる。
(根原体がある。)
台木としても発根が早くなるので、成功率が高まる。
(癒合組織が出来ている。)
5節以上の部分は冬季の剪定で切除する。
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