「人は世につれ、世は人につれ」ではありませんが、園芸植物の品種にも流れがあり、油断をしていると、欲しかった品種を入手しそこなうことがしばしばあります。欲しい品種を見つけたら、先ず声(手)を出しておきましょう。
その第一号をお受けすることになりました。
我が家で「紀州小ミカン」というのを栽培していましたら、
それを欲しいという方が現れたのです。
園芸の楽しみは色々とあるようですが、育てている植物を所望された時の嬉しさは格別です。
早速、苗木作りです。
ミカンの接木(切り接ぎ)適期は4月中旬から5月中旬、
9月中旬から10月中旬とされていますが、接木後の管理を工夫すれば、この時期以外でも行えます。
今回は生育中の台木と接ぎ穂を使った「緑枝接ぎ(呼び接ぎ)」に挑戦します。
というのも、知人に一日でも早く苗木をお届けしたいので。
「緑枝接ぎ」は木の生育中に行えるので、今回の場合は「切り接ぎ」よりも早く苗作りが出来ると思います。それにもし失敗しても、来春に「切り接ぎ」を行えばよいのですから。
● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ●
台木の準備
今回はポットで育てていたユズの実生苗を使いました。
とにかく、乾燥させないことが大切!
用土を少なくして水を含ませた水苔で根を包み、
さらに乾燥しないようにビニールシートで包んでおきます。
最後に、熱がこもり高温になるのを避けるため銀紙で包みました。
厳密にはカラタチの実生苗がよいとされていますが、
ユズや夏ミカンの実生苗でもOK!
接ぐ位置を見極める
写真のように、接ぎ穂と台木の突出している部分を、接合させます。
今回はこのあたり
接ぐ前の処理
台木を削って…
▼接ぎ穂も削ります
木質部がはっきりと見える状態まで削ってください!よいしょ!よいしょ!
いよいよ、接ぎます
削ったところがちょうど重なるように!
密着させるためにクリップなどで挟みます。
密着度が弱い時は、テープで巻くのも有効です!
支柱を立てる
風でゆれて台木が落ちないように、支柱で枝を固定します。
ヒモで台木と支柱をぐるぐる巻けば、安定感が増します。
これで完了です。
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『ミカンの呼び接ぎ』に適した刃物
フローリストナイフ フローナ直刃
台木や接ぎ穂を削るときに活躍します!
西先生も愛用のナイフです
最近は、朝晩が涼しくなってきましたね。
朝と夕方の空がとてもきれいで嬉しくなります。
季節の変わり目、風邪などひかれぬよう素敵な連休をお過ごしください^^
編集:新入社員1号