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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

夏から秋の鉢物管理

お盆を過ぎると涼風が感じられるように
なりますが、植物、特に雑草(野生の植物)は
季節の移ろいに敏感です。小さな鉢の中でも、発芽してくる種類に微妙な
変化がみられます。


春から夏にかけては、
双葉を広げて葉の広いものが中心ですが、
これからの雑草は葉の細いもの(イネ科の植物)
が主役になる傾向がみられます。
客観的に眺めている分にはなんのことは
ないのですが、除草しなければならない
場合には、この違いは重要なことです。

こちらが双葉の雑草。
まず根の状態ですが、
春から夏にかけての双葉の雑草は
葉を一面に広げますが、
根は以外なほど貧相なものです。

それに対して 秋から冬に現れる葉の細いイネ科の雑草は
細い根を四方八方に広げて しっかりと用土をつかんでいます。

イネ科の雑草です。

次に抜きとられた株の反応の違いです。
春から夏の雑草は、抜き取って地面に
捨てておくと一週間くらいで根付いたり、
節から発根して再び繁茂してくることが
多いものです。
ところが地温が15℃以上になると、
覆土して一週間ほどで雑草は腐敗します。
それに対して冬型の雑草は、
土の中に埋めてもなかなか腐りません。
対策としては抜き取ったものを乾燥、
特に根を乾燥させることがポイントです。

この鉢は雑草に花が咲いていますね。
こういった場合、花や蕾を摘んでやると、
これ以上増えることはありません。
簡単な雑草対策になります。

こうした特性を念頭において除草に
とりかかります。
それでは、まずピンセットを用意しましょう。
経験すればすぐにわかることですが、
トカゲの尻尾切りではありませんが
手で雑草を抜き取ろうとすると
掴んだ部分でちぎれてしまい、
そこから下が残ってしまいます

この状態では雑草を摘芯されたくらいにしか
思わず、すぐに脇芽を伸ばしてきます。
そこでピンセットの登場ですが、写真のように
茎ではなく根の上部をしっかりと挟んで
抜き取ります。

ご承知のように多くの場合、芽は地上部(茎)にあり、
地下部(根)にはないことを思い出して下さい。
問題はピンセットで挟んでも、
株が大きかったり根がしっかりと土を
掴んでいて抜き取れない場合です。

特にイネ科の雑草がそうですが、
こうした場合には、根を掴んだ状態で
ピンセットを回し、根をくるくる巻きつけてから
引くと、広がった根がちぎれます。

こうすることで作物の根を傷めずに
簡単に抜き取ることができます。
もしも株が多数の茎を持っている場合には、
細かく裂いてやると抜き取りやすくなります。
以上は一般的なことですが、
スミレやカタバミのように地上部を
摘み取っただけではダメな植物もあります。

面倒ですが、これらは写真のように鉢から
抜き出して、根や球根をすっかり
取り除いてやりましょう。

こうしたものは、地下部から新芽を再生させる
性質をもっているのです。

さきほどの話より、覆土して除草効果も図ってみま

枝が伸びていたので、剪定してやります。

次に施肥ですが、
有機質施肥は表土におきましょう。
化学肥料は用土と混ぜてもよいでしょう。

今回は有機質施肥を6粒と、
害虫防除にオルトランを少々与えました。
これで本日の作業は終了です!

話は変わりますが、この鉢の底の白い物体、
これは菌根というカビの一種です。
植物は根元にカビを飼うことで、
養分を送り込んでもらいます。
鉢から出してこのような白い菌が発生していたら
正常な生育ができている証拠でしょう。





『夏から秋の鉢物管理』に適した刃物


今回の作業ではあまり刃物は使いませんでしたが…
ステンレス刃で水回りの作業でも
錆びにくいのが特長の鋏をご紹介します。
はさみ:アルスヌーボー
グリップカラーはおしゃれな3色。
刃先までしっかり切れますので園芸に最適です。

アルスヌーボー

アルスヌーボー

● ● 今日の一言 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
8月に入り猛暑日が続いていますが
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
先生のご自宅の果物、野菜もどんどん実って
収穫の時をまだかまだかと待ちわびています!
今回の取材の時はネオ・マスカットを
一足先にいただきました
さわやかでおいしかった~。
まだまだ暑い日が続きます。
みなさま熱中対策しっかりして、楽しい夏を
お過ごしくださいね


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