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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

カキの矮化仕立て
   

カキの矮化仕立て


写真は、10月にご紹介したカキです。

十分に成熟するまで果実を樹上に成らせておくと
アライグマやハクビシンの被害を受けそうなので、
十分に色づく前に着果している枝ごと収穫しました。

今年果実を着けた枝は勢いが弱り、この枝から
伸び出した新梢には結実が期待できないので、
間引き剪定として切り取ったのです。
本格的な剪定整姿は、すべての葉が落ちて株が
休眠に入ってから行うのが安全です
今年は11月の冷え込みが早まったのか、
特に勢いの悪い株ではないのですが、
紅葉しほとんど落葉してしまいました
少し早めですが剪定整姿を行うことにしました。
というのも、

この株に関しては写真のように野菜と同居しており、
誘引を行って株をコンパクトに仕立てたいので
枝にやわらかみが残っているうちに整姿をしたかったのです。
コンパクトに仕立てるには、新梢の徒長を抑制することと
結果枝を低い位置に出させることが必要です。
さて、今日の作業です。
樹液の流れを調節する
写真でご覧のように、この下部は通常の姿とは異なり
下方から沢山の新梢が伸びだしています。




その原因ですが、「怪我の功名」ではないかと思っています。
実は、上部の新梢の徒長を抑制するために、
この夏に写真のように支柱を母枝に結びつけて
これに新梢を誘引しました。

ところが新梢が固まったあとも、
支柱をそのままにしておいたので、
母枝に「くびれ」が生じ、上部の新梢に樹液が
正常にながれなかったのではないでしょうか。

その結果、下方から新梢が多発したのでは・・・。
花芽の確認と整姿作業
さて、ここで芽の確認をしてみましょう。
まずは『葉芽』。
樹木は一番先にこの芽をつけます。
これがのちに新梢となっていくのですが、
とても小さな芽です。

次に『花芽』。すこし大きめなのでわかりやすいですね。
これが後に大きくなり実になります。

剪定の時はどの枝にどの芽がついているかを
しっかり確認してから行いましょう
次にメインとなる枝に栄養が十分にいきわたるよう、
不要な枝を間引きしてやります。

貧弱な小枝や、写真のように下に向かっている
枝も切り落とします。

整姿作業が終わりました。 すっきりしましたね!

徒長しそうな枝は下垂させる

樹液は上部の枝ほど多く流れこむ傾向にあります。
当然のことですが、放任しておくと上部の新梢は
徒長しやすく、下部の新梢は衰弱枯死してしまいます。
そこで、徒長している枝は写真のように
下垂させてやると、伸長が弱まり徒長が抑えられます。




その結果、下方の枝が勢いづいて元気な新梢を
伸ばすことになることでしょう。
充実しのばしたい枝は上向きにしてやる
樹上の位置の高低にかかわらず、
伸びる方向によって枝の勢いは異なります。
基本的に枝先が上向いているほど、徒長は
旺盛になるものです。
そこで下方の必要な枝は、できるだけ直線的に
上向き(理想的には直立)に誘引してやりましょう。

断根する

地上部の生長は、地下部(根)からの養水分の
供給で支えられています。
根の間引き(断根)は新梢の徒長抑制に直結します。

土を掘り掘り・・・ 出てきた根をざっくりカットしました!





これで地下部と地上部、つまり根と枝の養分バランスが
同じになるように調節できました。
本日の作業はこれにて終了です。
おつかれさまでした


『カキの矮化仕立て』に適した刃物
今回の作業では、「VSシリーズ」の剪定鋏を使用しました。
アルス剪定鋏の長い歴史の、“最新技術”と“デザイン”を盛込んだ商品です。
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★★★今日のひとこと★★★
めっきり寒くなりましたね
我が家ではコタツが登場し、
コタツにミカンですっかり冬支度です。
ミカンといえば・・・

先生のお庭で紀州小みかんがたくさん成っていました!
直径5センチ程度のちいさなミカンです。
ちょっとしたおやつに手軽に食べれておいしいです
めずらしい品種ですが、
ほんものはとっても小ぶりでかわいいですよ
以上、社員2号でした。


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