北風が強まりますと、つい暖房した部屋に閉じ籠りたくなりますが
園芸趣味では「冬季剪定(本格剪定)」の楽しみで、
戸外へと飛び出してしまいます
柑橘類のように常緑樹は、
早春が本格剪定の適期とされていますが、
ブドウやカキなどのような落葉樹では
秋に養分は大枝や幹などに送られ、
樹液の流れも少ない冬(休眠期)が適期なのです
今回はブドウの剪定です
緑陰(緑のカーテン)を第一目的として育ててきたので、
かなり小枝が繁って(乱れて)きたのと、
全体の美観(特に景観)も気になるので
すっきりとした主枝・結果母枝を作ってみることにします。
まずここでポイントをご紹介
〇切り口が癒合しにくい
一般的に大きな切り口を放任しておくと、
樹液が流出したり切り口が癒合せず
そこから枝が枯れ込むものです。
そうしたことから、
大きな切り口には癒合剤などで保護が必要です。
中でもブドウはその傾向が顕著で、
特に冬季剪定が遅れて休眠が破れ、
発芽のために樹液が流れ始めてから
切り口(傷)ができると、
切り口が癒合せず樹液が多量に流れ出てしまいます
そのため必ずブドウが深い休眠に入っているうち(厳寒期)に
剪定をしておくことが大切です
〇結果習性
果実は春に伸び出した新梢の基部に着きます。
果房は新梢の充実度により1~3房と異なりますが、
1つの果房を正常に生長させるには成葉を10枚以上必要とします。
家庭園芸では場所の制限があるので、
1枝1果房として、新梢の長さを1.5mくらいとする
「短梢仕立て」が歓迎されるようです
それでは、このポイントを理解した上で今日の剪定作業をはじめましょう。
● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ●
枝の点検
剪定作業は、健康診断のチャンスです
ブドウにはブドウスカシバという害虫が
必ずといっていいほど加害します
枝が少し膨らんでいるものは、その可能性がかなり高いもの。
中を開いてみると、このようにブドウスカシバを発見することが多いです。
しっかり診察をしてやりましょう。
小枝・不要枝の整理
▼全体を見た様子
▼外に向けて見た様子
ブドウも他の果樹と同様に、
枝先の芽から元気な新梢が伸びだし、
母枝に近い部分からの発芽がなくて、
とんでもない樹形になり広い場所を占領します。
そうしたことから不要な枝の切除と
結果母枝(前年の新梢)も基部の必要な芽(3芽前後)を残して、
切り戻しをしてやることが大切です
枯れ枝や不要な枝は根本から剪定します。
緑の支柱やヒモも外し、
また、高さのあるところにある枝は高枝鋏にて剪定しました。
(極寒の中、がんばってくれている同期…!)
結果母枝(前年の新梢)は基部の必要な芽を残して、切り戻しをしてやりました。今回は、3芽を残し、4芽の部分で剪定。
これにて作業は終了です。
とても見晴らしがよく、すっきりとしましたね◎
来年からの生育がたのしみです
『ブドウのパーゴラ仕立て』に適した刃物
アルスのロングセラー小型剪定鋏です。
軽量でながら切れ味は抜群。
今回は小枝や枯枝の剪定に使用しました
軽量小型剪定鋏 ミニチョキ
軽量小型剪定鋏ミニチョキ
★★★今日のひとこと★★★
取材日12月17日は、猛烈な寒さと風が吹き荒れておりました。
寒さと戦いながらの作業になりましたが、
みなさまは大丈夫だったでしょうか
体調など崩されてないですか?
今回の記事が、今年最後の更新となります。
1年間、ご愛読ありがとうございました
来年も、みなさまにさらに園芸に興味をもっていただける
記事をご提供できればと思っています。
どうぞこれからも宜しくお願い致します
それでは、良いお年をお迎えください
社員1号より
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