ユズの台木に甘夏を接木し、
更に八朔を接木している鉢植えです。
一つの株で三種の果実を、という贅沢な話なのです。
彩りの乏しい冬の時季には晩生柑橘類は重宝な存在ですから。
有りがたいことに、今年は写真のように
三種の果実がよく着いてくれ、
秋からこれまで玄関辺りで観賞することができました。
ところがあまり欲張ったことから、
これまで毎年果実を着けてくれていた甘夏の部分が
非常に衰弱しているので、何とかしなくては!と思っています。
※甘夏の葉っぱが黄色くなり元気をなくしてきています・・・
もともとこの株では、甘夏が元気に茂っていたのですが
できれば八朔を主役にしたいというのが本心でした。
そこで昨年。これまで元気に茂っていた甘夏の部分に
多くの果実を着けて勢いを抑制し、
八朔にはたった2つの果実しか着けないように摘果したのです。
※現在八朔には2つの実がついています
ご承知のように、果実を着けた枝はとても衰弱します。
そうした果実の性質が頭に浮かんだものですが、
こちらの勝手な都合を知ってか知らずか
真面目なこの木はその希望にほぼ沿った姿になってくれました。
甘夏中心の樹形から、八朔を主役にしてやろうという計画は
大筋では成功しました。
しかし少しやりすぎてしまったのでしょう、
八朔の部分の枝の葉は深い緑色(元気な印!)ですのに、
甘夏の部分の各枝が衰弱して葉が緑を失い黄色みを帯びています。
八朔(左)・・・深い緑色の葉
甘夏(右)・・・黄色みを帯びた葉
このままにしておくと、
甘夏の部分の枝が衰弱枯死してしまう危険性が予想されます。
それらの対策を今回は行いましょう。
● ● ● ● ● ● ● さあ、やってみよ~!● ● ● ● ● ●
■ 摘果
まずは実の収穫を行い、木にかかる負担を軽くします。
〇ユズ〇
実から10cmくらいのところで切るようにします。
写真のように黄色くなり弱っている枝は果実と一緒に切除します。
残しておいても、今年は貧弱な芽しか伸ばせず
結果は期待できませんから・・・
また、柚子の枝にはトゲがあります。
作業の際は十分気を付けてくださいね。
柚子の収穫をした後はこんな感じ!
甘夏(右)と八朔(左)がはっきりとわかるようになりました。
〇八朔〇
下垂している枝は不要なため、
枝が下に落ちかけているところに鋏を入れ、収穫します。
八朔の実を収穫した後はこんな感じ!
残りの実は全て甘夏です。
〇甘夏〇
最後に甘夏の実を収穫します。
八朔の時と同じように、
下垂している枝は、枝が落ちかける前のところに鋏を入れます。
========まめちしき=======================
八朔と甘夏の実って似ていますよね。
剥けば皮の厚みの違いで、どちらかがわかりますが
見た目からは“シワの違い”でわかります。
※ヘタに向かってシワがある方(左)が甘夏!
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これにて3種の摘果作業は完了!
だいぶ軽くなりましたね!
■ 枝の剪定
次に枝の剪定を行います。
まずは、枯れ枝の切除から。
ちょきん!
次に間延びしている枝を切り戻します。
ちょきん!
また、右の方向へ伸び甘夏の生育を妨げる恐れのある
八朔の枝も剪定しておきす。
ちょきん!
剪定が終わりました。
だいぶすっきりしましたね。
======蕾がついている枝について==============
写真のように蕾がついている八朔の枝は、今回剪定をしていません。
実の重みで自然に枝が下垂し、枝の成長も抑制されることでしょう。
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基本的なことですが、木は不要な枝葉は着けていないはずですから
いい加減な枝葉の切除は禁物です。
自信がないときは控えめにしておきましょう。
■ 新しい土の追加
最後に、かねてから予定していた空き袋を取り除き、
新しい用土を入れてやります。
抜けるかな・・・!
抜けました!
そこに落ち葉やピートモスで調合した新しい土を入れていきます。
これで株全体の体力がついてくれるでしょう。
※赤玉中粒でもOKです
最後に上からピートモスを敷いておきます。
ピートモスは保水力があり通気性に優れています◎
これですべての作業が終わりました~!!!
おつかれさまでした!
『 観賞用ミカンの整姿 』に適した刃物
枝の剪定では、剪定鋏S型7インチを使いました!
鍛えて造った鍛造刃で、するどい切れ味と耐久性を兼ね備えています。
▼剪定鋏S型7インチ
★★★今日のひとこと★★★
今回の鉢植えは、これまで何度か記事として登場しております。
よければこれまでの流れをみてみてくださいね~!
鉢植えミカンの摘蕾(2013年5月)
鉢植えミカンの収穫と増し土(2013年12月)
ミカンの旬の手入れ(2014年6月)
こうして、これまでの成長を追っていけるのも
楽しいなあ・・・としみじみ思った今日なのでした*
季節の変わり目、みなさまご自愛くださいね。
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