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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

ボタンの植付け
   

ボタンの植付け


ボタンは植付けの時季を迎えました。
そこで今回は、鉢への植付けのポイントをチェックしてみましょう。

苗木は、畑から掘り上げて根を包んだ状態のものと、写真のように鉢(容器)に植えられているものがあります。
少し高価ですが、鉢植えのものが植え傷みが少なく安全です。
それに、最近のボタンは大抵シャクヤクの根に接木されています。
しかし、シャクヤクの根は数年のうちに衰弱し、根としての役割をは果たせなくなります。
従ってそれ迄に、接穂のボタンから根を出させることが必要なのです。
幸い、今回の苗木では、右の写真のように既に根が伸び出し、一部は用土の中に入っているので安心です。
次は、ラベル内容の確認です。「牡丹」といった植物名だけでなく、品種名が貼り付けられているものを選ぶことも大切です。
写真のようによく印刷された名札が付いていますが、これは外して、改めてラベルを作っておきましょう。
株に付けられている名札は、針金などで結ばれていますが、直ぐに幹の太りにつれて食い込んでしまう危険があるのです。

鉢は一回り大きいものを選ぶのですが、今回の株はかなり大きくなっており、用土量の確保、乾燥の防止だけでなく、開花時には倒れる危険があるので、重量のある化粧鉢に植えることにしました。
用土は、中粒の赤玉土に30%を目安にピートモスを混合し、さらに害虫防除のために粒状オルトランを加えます。
植え方ですが、株を鉢から抜き、用土が崩れない場合には、そのまま新しい鉢に植付けるのが無難です。

しかし、写真のように、用土が崩れた場合には、特に手を加えないで根を乾燥させないようにすぐ植付けてやりましょう。
用土が崩れたことは残念ですが、ボタンやシャクヤクは9~10月に根が活発に活動を行うことが確認できました。

ところで、普通の鉢植えの場合には、可能な限り浅く植付けるのが基本となっていますが、ボタンの場合には、深く植えることが大切です。
というのも先に述べたように、根の部分だけでなく、幹(接穂)の部分も用土の中に入れておいてやらないと根の発生・生長が遅れるからです。
植え終わったら、粗いピートモスやバークなどで敷きワラをし、防寒・防乾をして、地表面近くに伸び出す接穂からの新根を保護してやりましょう。


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