落葉樹の場合、樹形の本格的な剪定剪姿は
落葉している冬季ですが、
新梢が繁茂・徒長する初夏にも、
樹形の維持と必要な分枝をはかる・・・など剪定整姿の作業はあります。
今回はこの時期での剪定整姿で留意すべき点について、
実際の作業を通して紹介していきます!
さあやってみましょう!
徒長枝の処理
徒長枝自体が樹形を乱しているのですから、
切断の対象となります
しかし仕立て方や樹種によって、その処理は異なります。
樹冠を整える
写真はトウカエデの鉢植えです。
この鉢に植えてから約15年が経ちました。
街路樹にもされるほど勢いの強い木で、
はじめのうちは、よく徒長枝が伸びだしていましたが、
年ごとに落ち着いてきました。
それでも上方の左側に徒長枝(飛び出し枝)が
一本出ています
ここでは、樹形をひとつの「かたまり」として捉え、
かたまりから飛び出しているのが「飛び出し枝」=徒長枝となります。
これをそのままにしておくと不格好なだけでなく、
下方の枝の衰弱を引き起こしますので、
下の写真の位置で剪定してやります
※切断位置から新しい枝が出てくることを意識して作業を行います。
節の上で切るようにしましょう!
枝が飛び出していると不格好なので切り戻しをします
これで樹形がまとまりました。
幹と枝を整える
写真もトウカエデです。
右側にしっかりした「一の枝」のある模様木仕立てです。
これにも気になる徒長枝があります
まず幹の方ですが、上部の左側に直立している新梢です。
この徒長枝をそのままににしておくと、
すぐ下の右方に出ている小枝が弱ってしまう危険があり大変です
そこで下の写真のように剪定しました。
次は「一の枝」です。
これにも直立した徒長枝がいくつか伸び出しています。
枝は横に広がって欲しいのですが、
こうした徒長枝をそのままにしておくと、
肝心の横に伸びている枝の衰弱を引き起こすので、
切り戻してやります
この木の場合、樹形を考えますと「一の枝」がかなり大きく感じられます。
しかし、しばらくはこのままにしておきます
というのは樹液の流れは幹が中心となり、幹の先端部の枝が元気に育つものです。
ですから、余程注意して下方の枝が元気に育つようにしないと
年ごとに衰弱の方向に向かってしまうからです
樹形は幹・主枝・小枝からできている立体です。
その作業の第一歩が「一の枝」作りです。
幹だけの状態:一次元
一の枝の誕生:二次元
小枝の発生 :三次元と見ることができるのではないでしょうか
木と木のバランス
写真はトウカエデの寄せ植えです。
この植栽で問題となるのは、左方から二番目の主役となっている木が
異常に太くなっていることでしょう。
このままにしておくと、他をますます圧倒して太ってしまいそうなので
少し枝葉を摘み取ることにします。
そして全体的に丸みのある形を円錐形に変えるようなイメージで切り戻していきます
主役は大きいもの、高かったり太かったりと
「目立つ」要素を持っていますが、
それがあまりにも強烈すぎると調和が乱れてしまいます。
寄せ植えは植栽された木の全体が作りだす景色ですから、個人プレーは禁物です
枝葉の繁茂は、根の旺盛な身長に繋がりますが
しれは周囲(脇役の木)の衰弱に直結することを
覚えておきましょう。
樹種の特性
写真はチョウジュバイです。
この木は株立ちとなる性質なので、
株元からの新梢を基部から切除し、古い枝を保護してやることが必要です。
ツツジやバラなど株立ちとなる樹種では
古くなった枝ほど衰弱しやすくなります。
樹液は新梢に必ず流れるようになっているようですから
高木となるものは、幹の先端部に
優先的に樹液が送り込まれるようです。
これにて本日の作業は終了です!
おつかれさまでした★
『 鉢物の夏の剪定整姿 』に適した刃物
鉢物の剪定作業では、クラフトチョキを使いました◎
細かな作業となるため、小回りのきく刃先がぴったりです
ソフトグリップで長時間の使用でも手が疲れにくい仕様です!
★★★今日のひとこと★★★
西先生宅の10年を越える鉢たち・・・
とってもかわいいですよね!
写真を撮影しながら、かわいい~!すてき~!を
連発してしまいました
我が家の玄関にもミニ鉢を置きたいなあ・・・
なんて、またむくむくと植物欲が湧いてきた取材日でした
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