アルスコーポレーション株式会社

Global Site
西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社

プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

夏の家庭果樹の新梢処理


ほとんどの果樹では、夏から秋にかけて花芽分化が行われますから
この時期は新梢の生育を乱さないように注意することが大切です。

ところが、果樹園での栽培と異なり家庭での果樹栽培では、
夏に枝葉が茂りすぎていることがよく問題になり、
うっかり刈り込むと肝心な花芽を切り落としてしまうことがあります。

特に、ウメ・モモ・スモモ・サクランボなどのように
今年の新梢に花芽が着くものでは、
夏から秋にかけて強い刈り込み(剪定)を行うと
結果枝を切り落とす可能性を高めてしまいます

また、新梢の先端部に花芽が出来たり、
来春に今年の新梢の先端部から伸びだした新梢に結実する
ミカン類やカキなどは、元気に伸びている新梢を切り詰めるのは
避けたいところです。

要するに来春に開花する果樹では、
来年の結果枝を確保できるか否かは
夏から秋にかけて花芽分化をする
“今年の新梢の処理” にかかっているといえます
今回は、果樹の新梢処理についてみていきましょう。


さあやってみましょう!

モモ・スモモの場合

夏も終わりに近づきますと、
ほとんどの落葉果樹では花芽分化が進み、
よく観察すると写真のように葉芽よりも随分大きな
花芽が膨らんでいます。

▼モモの葉芽と花芽

葉芽か花芽かは、まずこの芽の大きさで判別できます

スモモの場合には、 今春に伸びだした短い枝(短果枝)に
花芽が着いています。

つまり昨年の新梢から伸びだした今年の枝です。
ところが、元気に徒長している新梢には花芽は着いていません。

スモモの徒長枝は旺盛な伸長をしますから、
庭の景観を乱すことで邪魔者扱いをされ、
よく切り戻されるようです。

しかし、あまり強く切り戻しますと、 株全体の生育バランスが乱され、 せっかく作られつつある花芽形成の妨げになるかもしれません

そこで伸長しているものは、
先端部を少し摘み取り成長を止めてやりましょう。

邪魔になる場合には、斜めか下方へ誘引して
徒長をさせないようにしてやります。

ミカン類(常緑樹)の場合

ミカン類は今年の新梢の先端部に
来年結実してくれますから、
新梢の切り戻しはしない方が安全です。

それもよく充実している新梢に結実します

ですから、その横に伸びだしている貧弱な新梢は
間引いても大丈夫です。

若くて旺盛な生育をしている株の場合には、
春枝だけでなく、夏や秋に伸びだす徒長枝(夏枝や秋枝)がみられます

夏枝や秋枝には来年の結実は期待できませんし、
冬に凍傷を起こす危険もあるので、
早めに摘み取ります。

新梢の芽(小さな命)は、
花か芽かこの時期迷っています。

優しく接してやりましょう

ブドウ(落葉樹)

ブドウの枝は放っておくと
つる状にいくらでも伸びていくため、
養分の浪費につながります。

そのため、葉の色が緑色のもののみ残し、
その他の黄色みがかった葉は切り戻してやりましょう。



以上で本日の作業は終了です★

お疲れさまでした!


『 夏の家庭果樹の新梢処理 』に適した刃物
新梢のカットでは、クラフトチョキを使いました◎
ソフトグリップで長時間の使用でも手が疲れにくい仕様です!

★★★今日のひとこと★★★

お盆休みきたー!
お盆休みおわったー!
・・・ほんの一瞬の夏休みに思えてしまうほど、
あっという間なお休みは、大好きな音楽フェスに参戦してきました。

炎天下の中、朝から晩まで野外で音楽。

気付けば飲み物3リットル消費していましたが、
生の素敵な音楽は、元気をくれるなあ、勇気が湧くなあ、、、
とじーんと感動した1日でした。

みなさまは、どのような夏を過ごされていますか?

8月も後半戦ですが、
まだまだ日差しの強い日が続きます。

熱中症には十分ご注意くださいね!


新しい記事

カテゴリー

月別アーカイブ

タグ