酷暑の時期は休眠状態だった果樹達も、
朝夕に涼風が立ち始めると活気がよみがえり、
元気な株は秋枝を伸ばそうとしています。
根も元気に働こうとしていることでしょう。
こうした状態の時は、移植や植付けの絶好の機会となります
春と秋が植付け・移植の時期とされていますが、
秋の場合は厳しい冬までにしっかりと根付いていないと
寒害の危険がありますから、
手遅れにならないようにすることが大切です。
最初にみていただいた写真は、
鉢植のブルーベリーですが、
少しの風でも倒れるので困っています
その訳は三本の主枝(幹)のうち、
一本は直立しているのですが、
二本が右方向へ大きく傾いているからでしょう。
ご承知のように、
ブルーベリーは株元から伸びだす新梢(徒長枝)に
養分が多く流れ、
古くなった主枝ほど衰弱する性質があります。
そうした性質ですから、
高木とならず株立ちとなるのでしょう。
そうした特性を生かすのならば、
直立している若い主枝を中心に、
四方にバランスよく茂らせるように仕立てていくのが
無難なように思われます。
しかし今回は、果樹栽培の本筋から外れて
ちょっぴり遊びをしてみることに致します
直立している主枝を右方向に誘引して、
全体を斜めに(斜幹)に仕立てようというものです。
そうすると当然のことですが、
今の状態よりも倒れやすくなります。
そこで鉢からプランターに植え替えてやることにします
そうすることで倒れにくくなるだけでなく、
他の株との接触で起こる枝葉の損傷も防ぐことができ、
伸び伸びと生育してくれることでしょう
そしてうまく育って美しい樹形になってくれれば、
いわゆる「斜幹仕立て」として観賞も楽しみたいのです
それでは作業を行いましょう!
● ● ● ● ● ● ● さあ、やってみよ~!● ● ● ● ● ● ● ● ●
枯れ枝を切る
まずは、ブルーベリーの枯れ枝を除きます
切断面が美しくなるように、切り口に注意しましょう。
全ての枯れ枝を切ると、少しすっきりしましたね。
切断面にはトップジンを貼付して癒合の促進をはかりましょう。
土づくり
植木鉢からプランターに植え替えるため、
新しく土をつくっておきます。
今回は「赤玉土3:ピートモス1」の割合でつくり,
しっかりと混ぜていきます。
さらに、殺虫剤と肥料を混ぜ込みます。
オルトラン・・・殺虫剤
マグァンプ・・・肥料
これで、土づくりは完成です!
根切り
ブルーベリーを鉢から抜いて、
根を切ります
将来は樹形を引き立てるために
浅めの化粧鉢に根付けたいので、
下部の根を切除することで、根が浅く広がる様にしてやります。
植え替え
プランターの一番底は排水が苦手なため、
まず底には赤玉土を敷きます。
そして、先ほどにてつくった土を入れていきましょう。
根への対応
しっかりとした根張りをつくるために、
ピンセット等で用土の表面を取り除いて、
根の基部が少し空気に触れるようにしてやります。
こうすると、根は表皮を保護するために
しっかりとした組織(荒皮)をつくるようになります
ピートモスを敷く
上からピートモスを敷いていきます。
にて根が空気に触れるようにした部分には敷かないように注意してくださいね。
ピートモスはとっても賢いもの。
*土の散布を防ぐ
*雑草が生えるのを防ぐ
*保湿など・・・たくさんの役割を担ってくれます
また美観も美しいので、ぜひ利用してください。
枝の誘引
最後に枝の誘引を行います。
今回は画面向かって左側から
風がそよそよと吹いているようなかたちにしたいため、
支柱と麻紐を使い、全体的に右方向に向けて誘引をしました
これにて本日の作業は終了です。
1つ手を加えることで、趣のある樹形になりましたね!
化粧鉢に植え替えるころが楽しみです
『 ブルーベリーの斜幹仕立て 』に適した刃物
剪定鋏ブイエスシリーズ
枯れ枝の剪定作業を行うときに使用しました。
赤と黒の色が印象的な回転式グリップは、
握り込むのに連動してグリップが回転!
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★★★今日のひとこと★★★
取材日は9月1日。
秋らしく吹き通る風の涼しさを感じた1日でした
本日は役に立つかもしれない1口メモ。
私(あ、取材を担当してます大野です!)の家にある
観葉植物(ワーネッキー)が、最近元気がない・・・・。
葉っぱの先端が茶色くなってしまっているのです。
そこで先生にご相談したところ「水不足では?」とのこと。
葉っぱと根は連動していると考えて、
葉先が枯れこむ=根の先が乾燥していると考えたらよいよと
アドバイスをいただきました。
黄金バランスは「土4:水3:空気3」。
お水をやることで、その通った道から新鮮な空気が運ばれていくそうです。
改めて水やりの大切さをずしんと実感。
ごめんね、ワーネッキー・・・
帰宅したらすぐに、お水をあげようと誓った取材日なのでした。
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