チョウジュバイは、我が国原産の落葉小低木で
枝が小刻みに曲がることから、盆栽風仕立てに好適です。
それに彩りの乏しい、
秋から翌春まで開花を続けてくれるので人気があります。
写真は、小盆栽風に仕立てる予定の苗木ですが、
この時期が植え替えの適期です。
落葉樹の植え付け・移植の適期は落葉期とされていますが、
この木は秋から春まで開花が続きますし、葉も着いています。
そうしたことから、
根がしっかりと活動してやらなければなりません
そこで早く植え替えをして、
冬までに態勢を整えてやることが必要です。
しかし、下の写真のように株はひどい根詰まりをしているので、
初秋の植え替えをしてやります。
それに手入れを怠っていたために雑草がありますし、
特に問題なのは、葉の細い冬型の雑草が伸び始めていることです
冬型の雑草は根の繁茂が旺盛で
油断していると、抜き取るときに用土と引き離すことに難儀をし、
植え付けている植物の根まで傷めてしまうことがあります
そのため、冬型の雑草は小さいうちに
駆除しておくことが必要です。
それでは、本日の作業を行っていきましょう。
● ● ● ● ● ● ● さあ、やってみよ~!● ● ● ● ● ● ● ● ●
表土を取り除く
ピンセットなどを用いて、
雑草を根から取り除くとともに、
表土も取り除きます。
用土の表層部には、
雑草の種子や胞子が混じっていることが多いので、
雑草の発生防止にぜひ行っておきましょう
また、盆栽風仕立て、特に小盆栽では「根張り」が大切です。
理想的な根張りは同じような位置から
四方に伸びだしている状態(八方根張り)です。
そこで用土の表面を注意深く取り除いて、
根の状態を確かめておきましょう
周囲の根を外す
チョウジュバイは根の生長が旺盛で、
下の写真のように、鉢にそって巻き付いています。
この状態では、用土から養水分を有効に吸収できませんし、
乾燥にも危険な状態です
というのも、酷く乾燥(灌水不足)すると、
用土が収縮して鉢との間に隙間が生じ、
根が乾燥した空気にさらされるのです。
更に土が進むと、
根が鉢穴をふさいでしまうことにもなります
そのため、周囲の根を外しておきましょう。
植付け
栽培(株の生長)の点からすると、
深い栽培鉢が望ましいのですが、
盆栽仕立ての場合には、浅い鉢に植え付けることが多いので、
下部の根を切り戻します
※鋏で土を切ると刃を傷めてしまいますので、古い鋏で行ってください。
植付けですが、まず新しい鉢の底に赤玉土小粒を敷きます。
そして株元の根の基部が少し露出するように、植付け、
上から更に赤玉土の小粒を入れていきましょう。
このとき、手で土を押さえてしまうと
土が固まり、水の流れが悪くなってしまうため
押さえつけないよう、注意してください
根の基部が少し露出するように植付けることで、
根の表皮が日光や空気の刺激で丈夫になり、
古木の雰囲気が醸し出されてきますね。。。
徒長枝の剪定
全体のバランスを見ながら、
徒長枝の剪定を行います
水やり
最後に水やりを行います。
バケツの水を張り、鉢をゆっくり沈めると
土に水が浸透していくのがわかります
十分に水が浸透したところで、
鉢をさっと持ち上げます。
そうすると鉢底からすっと水が抜け、
水はけの良さを確認することができます
これにて、本日の作業は終了です。
とってもかわいい長寿梅の鉢植えとなりました
『 長寿梅の植え替え 』に適した刃物
徒長枝の剪定では、クラフトチョキを使いました◎
ソフトグリップで長時間の使用でも手が疲れにくい仕様です!
★★★今日のひとこと★★★
取材日はぴかーんと秋晴れ。
なんと雲一つない晴天でした。
ついこの前まで、もくもく入道雲が
青い空に立ちはだかっていたというのに、
すっかり秋だなあ・・としみじみ
朝晩にかかわらず、空気がひんやりとしてきましたので
体調など崩されぬようお気を付け下さいね。