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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

イチゴの植付け
   

イチゴの植付け


正式な和名の「オランダイチゴ」が示すように、北米と南米の野生種を交配して、オランダで育成されたそうです。
バラ科オランダイチゴ属の草本とされていますが、茎がしっかりしており、少しづつですが年毎に伸び上がってくる様子からは、低木の感じもします。
栽培にあたっては、特に二つの点に注意しましょう。


一つは、伸びる(開花・結実する)方向が決まっているということです。
春以降に茂る状態を見ますと、いわゆるランナー(親株から伸びたつる状の茎)が伸び出してきて、その先端に子苗が出来るのですが、蕾も伸びる方向に出来ています。
従って、プランターなどで栽培する場合には、生長していた状態を見極めて植えてやると、花や実の位置を揃えて植えることが出来ます。

写真の場合でみますと矢印の方向に葉がよく茂り、この方向に茎があって、そこから新しい根が伸び出しています。
つまりこの株は、矢印の方向に向かって伸びているのです。

もう一つの注意点は、根は絶えず茎の上の方から伸び出し、古い根は衰弱枯死するという性質です。

従って、植付ける時には、新しい根が空中に浮き上がらないように、葉の基部まで用土を入れて(深く)植付けてやることが大切です。
但し、余り深く植えると蕾を埋めてしまい、駄目にしてしまいます。植付けてからは、戸外に置いて、低温処理をすることが必要です。低温の刺激によって正常な開花ができるのです。
時として、冬に開花することがありますが、これは結実しないので、直ぐに摘み取り、株を衰弱させないようにしてやりましょう。

結実には、昆虫による授粉が必要です。

種子は果実の表面の小さな粒ですが、この種子の作用(ホルモン)によって果実が肥大することができるのです。
もしも種子が出来ないと、その部分の生長が進まないので、奇形の果実が出来てしまいます。
ですから、ミツバチなどの昆虫がやって来るような場所で栽培しましょう。
開花してからは、果実が用土に接しないように、敷きワラをすることが大切です。これは、冬の防寒だけではなく、湿気ることにより果実が腐敗したり、ナメクジが発生したりすることが多いからです。

繁殖は株分けで、次々と伸び出すランナーの先端の子苗を鉢上げしておけば、親株と同じ形質の株を得られます。
但し、貧弱な苗には蕾が出来ませんので、大苗を選びましょう。
また、果実の表面の種子を撒いておけば、ある日、素晴らしい「わが家のイチゴ(品種)」が誕生するかも知れません。

良い果実を収穫するには、毎年新しい苗を植えますが、植え放しにして一面に茂らせ、弱った株を間引いて用土を補い、グラウンドカバーを兼ねての栽培も出来ます。

プランターの中で位置きめ


中央を高く盛り土し、用土表面にピートモス


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