小型の洋ランの人気が高まっているようです。
住宅事情もあるのでしょうが、大型のものに比べて家庭での楽しみが深いからでしょう。
写真は最近人気を集めている「テーブル・シンビ」と呼ばれている小型のシンビジウムです。
これまでの種類に比べて小型なので場所をとらないことが一番の長所のようです。
それに東洋ランの特性も備えているので、越冬を始め栽培が容易なことが大きな魅力となっています。入手に際しては、是非ラベルを確認しましょう。
洋ランに関しては、国際的に品種の分類記載が確りしており、学名を確認しておくと、その品種の育成経過が確実に判り、栽培のヒントにつながりますし、楽しみも深まります。
特に交配育種をする場合には、絶対必要なことです。
園芸店で求めた写真の鉢には、「Cymbidium Sarah Jean ‘Peach’」と「Cymbidium Sarah Jean ‘Ice Cascade’」と記された2枚のラベルが鉢に挿入されていました。
どうやら二つの品種が寄せ植えされているようです。
このラベルから、シンビジウム属であり、サラ・ジーンという系統で、花が赤味の株にピーチ、白い花の株にアイスカスケードという呼び名を付けたことが分かります。
学名の場合ですと、属名・種名・品種名が順に記載され、一般には種名は小文字から記されるのですが、この株の場合には交配種なので種名ではなく、サラ・ジーンという系統名が記されているのでしょう。
もしも、育種にこの系統の株を用いる場合には、育成者に問い合わせれば、交配親を確認できるでしょう。
入手したら、早速、自分で確りとメモをし、ラベルを作成して鉢に挿しておきましょう。洋ランは品種が多いので、ラベルを失うと品種の確認は先ず困難となりますから。
栽培に関しての、専門家のアドバイスとしては、すっかり普及している小型シンビジウムと同じように扱えばよいとのことです。
写真の鉢のラベルには、「Laeliocattleya Mini Purple ‘Thrilling’」と記されていました。
レリオカトレア属で、種名は分かりませんがミニ・パープル系統のスリリングと呼ばれる株であることが分かります。
属からしてレリア属とカトレア属の交雑によって生じたということですから、まさに園芸植物そのものということができましょう。
園芸店でこの株に惹かれたのは、バルブ(偽球茎)が伸び出す毎に大きくなっていることでした。「作上がり」と呼ばれる、順調に育成していることがはっきりと現れていたことです。
育成不順だと、バルブが当然貧弱になるので、バルブの大きさは株を選ぶ時の重要なポイントになるのです。
これまでは元気だったのですが、大きな花を二つも咲かせて疲れているでしょうし、先端部の根は鉢からはみ出しています。
鉢からはみ出しナメクジ被害
そのままでは、ナメクジの被害も心配ですし、株の育成・バランスからも、今春には根が納まる大きな素焼き鉢に植え替える予定です。
現在の状態をそのままにして、大株に仕立てるのもよし、途中から二つに分かれており、バルブも4つ以上あるので、株分けをしても…と迷っているところです。
株分けは諸刃の鋏で
株分けをする場合は、剪定鋏ですと受け刃部分が植物を潰してしまう恐れがありますので、諸刃の鋏を使用します。
用土は現在ものと同じ水苔を用いることにしています。