更新日:2020年12月25日
「挿し木」とは、枝を切り取り土にさして発根させ、育てるための方法をいいます。オリーブや果樹や樹木は、種から育てるよりも短い期間で育てることができるので、お手軽でガーデニング初心者の方にもおすすめです。 それも、ペットボトルででき、特別な道具は必要ありません。今回は、 挿し木の中の「密閉挿し」 という方法をご紹介します。
春の園芸作業では、挿し木が大きな項目です。特に樹木、それも落葉樹は季節の変化に敏感ですから、適した時期に挿し木作業を行うことが望まれます。
挿し穂(挿し木の)に適した時期は?
挿し穂の樹液が本格的に流れる直前、気温(地温)が15~25℃の状態が良いとされています。そうしたことから、2~3月が適期とされるのです。
ところが、今春は3月も後半となると、樹液の流れが盛んとなり、発芽が始まっている可能性もあります。温度の点からは良いのですが、挿し穂の状態に問題がある訳です。
そこで一つの対策として「密閉挿し」を実施しました。
密閉挿しとは?
挿し穂を密封して湿度の高い状態で管理する方法をいいます。 葉のある状態、つまり蒸散作用が盛んな状態では、挿し穂の萎れが挿し木の成否の大きな障害となります。それを挿し木床の環境を多湿に、できれば、湿度100%近くの状態にしておくことです。
その手軽な方法として、ペットボトルを利用した例をご紹介いたしましょう。
ペットボトルを用いた密閉挿し
ここでは密閉挿しの方法をご紹介します。まずは、挿し木に必要なものをそろえておきましょう。
密閉挿しに必要なもの
ペットボトル(2リットル規格が好ましい)
はさみ
赤玉土
霧吹き
水を張るボール
発根促進剤(あれば)
ペットボトルを使った密閉挿しの手順
ペットボトルは大きなものの方が、空間の微気象や作業の点からも望ましいので、2リットル規格のものを選びました。
これを写真のように切断します。できたら、上の部分の切り口を熱して加工し、下の部分の内側に挿入しやすいようにしましょう。
こうすると、挿し木後から、用土や挿し穂から蒸散した水分がペットボトルの内側で水滴となり、用土に流れ落ちるので、ペットボトル(用土)内の湿度が安定して保つことができ、潅水の手間が省けます。
用土選びについて
用土としては、湿度が高い環境での挿し木となるので、雑菌の少ないものを選ぶことが大切です。今回は新しい「赤玉土」を用いました。
挿し木のポイント
(1)用土を湿らせておく
乾燥した用土に挿し木すると、作業過程で挿し穂の切り口が損傷する可能性があります。損傷を防ぐため、水を用土の表面まで注ぎます。こうすると、用土が緩み、挿し木の作業が容易になり、切り口の損傷を防ぐことにつながります。
(2) 節から5ミリ下の箇所で切り口が斜めになるように切る
挿し穂は「ナンテン」を用いましたが、切り口つまり発根する部分が、節から5ミリくらい下になるようにしました。 発根に作用する根原体が節の下に多く分布していることを考えてのことです。
そして、切り口を広くするために斜めに切りました。経験的にも知られていますが、こうすると発根が促進されるのです。
(3)挿し穂は水につけておく
挿し穂は乾燥させないように水に浸してやるのが望ましく、できれば水に発根促進剤を混ぜておくと良いでしょう。
(4)挿し穂の挿し方の注意
挿し方は、挿し穂が安定するように全長の半分程度挿し込むのですが、容器の底に接しないように注意します。容器の底にはどうしても水が停滞し、発根を妨げたり、腐敗を引き起こす可能性が高いからです。
挿し終わったらメモを記したラベルを挿し、余分な水を排除しておきます。
ラベルは生育の確認だけでなく、挿し木の楽しみにつながります。
更に、挿し穂にスプレーで潅水し、最後にペットボトルの上部を被せて容器内の湿度を高めてやります。
挿し木の管理方法
普通の挿し木では、挿し木床には直射日光を遮るためにヨシズなどで日除けをしますが、ペットボトルの場合には特に日除けの必要はありません。 そして、乾燥が強い場合には、ペットボトルの栓をしてやりましょう。
発根後の管理は?
ペットボトルを使用しているので、底から根がまわっているかを確認して、発根が確認できたら、ペットボトルの上部を外して、出来るだけ自然の状態に近づけ、初秋(9~10月)に植替えます。
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