植物の生長期は害虫の繁殖期でもあります。病害虫の被害に注意しましょう。
☆カイガラムシ
写真は、ツバキの葉が黒く汚れています。
スス病と呼ばれる症状で、同化作用を始め生育を阻害されるので、木は衰弱してしまいます。
原因はカイガラムシの分泌物にあり、対策としてはカイガラムシの駆除なのですが、
少数の場合には見つけ次第ブラシなどで掻き落してやることで、薬剤駆除も可能です。
これから夏にかけては、カイガラムシの繁殖期に入るので、駆除のチャンスです。
この虫は成長すると体の表面が蝋の様な保護物質で被われるので、
殺虫剤を散布しても効果がありません。
ところが、幼虫は保護組織が発達していないので、スミチオンなど市販の殺虫剤で駆除できます。
但し、次々と孵化してくるのと、動きまわりますので、
できれば広範囲に、1週間おきに数回散布しておきましょう。
そして、薬剤には、薬害の危険がありますから、事前に注意書きをよく読んでください。
スミチオンの場合には、非常に広範囲によく効く薬ですが、
アブラナ科(ナッパ類)には薬害を生じます。
なお、葉の汚れは、洗い落としてやりましょう。
☆葉の異常対策
病害虫の被害は、葉に最も顕著に現れます。
また、病気などは症状から病名を付けられていることが多いものです。
特に被害を受けやすい新芽に注意して被害を予防しましょう。
これはモモの葉ですが、部分的に縮んだり腫れ上ったようになっています。
症状から縮葉病と呼ばれます。ハサミなどで、異常な部分を切除しておきましょう。
放任しておくと、症状が進み伝染する危険があります。
根本的な対策としては、冬季にビスダイセン水和剤などの殺菌剤を散布しておきます。
つぎは、ウメの葉が縮んで広がらない様子です。
これは葉の裏にハマキアブラムシが寄生していることによるものです。基本的な対策としては、葉の縮れる前に殺虫剤を散布してやることです。
これは、新芽があまり伸びださないモモの枝です。
よく見ると、葉が食害されているのが見つかります。
どうやら、シャクトリムシなどの害虫に新芽を食害されたようです。
念の為に殺虫剤を散布しておきましょう。
基本的には、新芽の伸び出す早春に、殺虫剤を散布しておきましょう。
こうした害虫は、たいてい保護色をしているので、肉眼では発見しにくいものです。
☆土中の害虫
最も被害が多いのは、コガネムシの幼虫によって、
根がすっかり食害されることでしょう。
対象としては、オルトランなどの殺虫剤(粒剤もあり)を用土に散布します。
根から薬を吸収し、害虫を寄せ付けません。
鉢植えなどでは、植付ける時に用土に混合しておくとよいでしょう。
但し、野菜などの場合は、収穫する1ヶ月以上前から、使用を控えましょう。
☆常備薬
生育の異常を発見しても、病害か虫害かの判断に迷うことが多いものです。そうした点では、最近普及している殺菌殺虫剤は重宝です。
写真のように、スプレーできる容器に入っているものは、即刻、手軽に使用できるのが魅力です。
用土の害虫駆除をはじめ、害虫被害を長期に予防するオルトラン粒剤もお勧めです。
いずれにしても、病虫害の予防には、
環境を清潔にしておくことが第一です。
これからサクラなどによくつくケムシなども、
掃除をした地面に糞が落ちると、直ぐに発見できるでしょう。
また、夜間に加害するナメクジなども、昼間に隠れる不潔な場所を無くしておくことで、被害を予防できます。