花木や果樹にとって、今月は一つの仕上げの時季です。
というのも8月に入ると、高温乾燥という厳しい環境に見舞われ、生存の成否だけでなく、もしも生き残っても花芽分化の仕上げをしなければならず大変です。
しかし今月はまだ雨水も豊かで気温もまずまず、旺盛な生長を続けています。
そうした状態を利用しての園芸作業に「緑枝接ぎ」があります。
樹木といっても、新枝の部分はまるで草木状態といってもよい旺盛な生長をする時季ですから、傷口の癒合回復も早い状態にあります。
この特性を利用して、希望する樹木の新枝と台木の新枝を接合させての接木をしようというのが「緑枝接ぎ」です。
今回はユズを台木とし、ハッサクを接木してみましょう。
接木をするには、同じ仲間(属)の間で行われますが、カンキツ類の場合では、後日の生育からカラタチとユズの実生苗がよく利用されます。
今回は鉢植えしたユズの台木です。
この若い枝と同じような生育状態のハッサクの枝を穂木とします。
方法は簡単で、よく充実した穂木を2~3節に切って、葉を制限し、基部をクサビ状に切り、台木の枝の中央を切り込んで差し込むのです。
厳密には、穂木と台木の形成層、つまり樹皮と木質部の境目にある組織が密着していることが肝心です。
この形成層というのが、樹木の生長を司る部分なのです。
そうしたことから、台木と穂木の太さがほぼ同じようなものを選ぶことも、成功率を高めることに繋がりましょう。
もしも太さが違う場合には、一方だけでも樹皮・形成層・木質部を確りと密着させることです。
作業に際しては、切口を乾燥させないことが何より大切なので、手早く行いましょう。
簡単なことですが、非常に重要なことは、切口を乾燥させないことと、よく切れる刃物で処理をするということです。
雑な切口を作っては、癒合は期待薄になります。
接ぎ終わったら、鉢ごとポリ袋に包んでおきましょう。
これで、穂木の縮れが防げますし、鉢土に十分水分があれば、日当たりの良い所に置いておいても、1ヶ月位は潅水をしなくても大丈夫です。それに1ヶ月もすれば接木の成否は決まっていますので、穂木の状態をみてポリ袋を外してもよいでしょう。
穂木は葉を落とすことがありますが、縮れたり変色をしていなければ心配はありません。
台木の方に葉が多いと、穂木の方への樹液の流れが抑制される可能性があるので、そうした場合には、台木の葉を制限して、穂木の方に樹液が流れるように剪定をしてやりましょう。樹液は葉に吸い上げられている、といってもよいのですから。
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